魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

深海魚のもと

2010年10月19日 00時37分45秒 | 魚介類を食べる

これは、「とある深海性魚類」を包丁でたたき(すぎ?)つくったものなのですが、いったい何かおわかりでしょうか。

これは非常に美味でした。ただし、脂も多く、なかなか多量は食えないかもしれません。マダラなど、深海魚の胃の中からはこれがよく出てくるのです。なるほど、美味なわけです。

正解はこの魚です。ニギスGlossanodon semifasciatus (Kishinouye)。地方によっては沖ウルメとか沖ギスなどと呼ばれる、深海性の小魚です。

写真からはなかなか伝わりにくいのですが、ひかりの加減で七色に輝く美しい魚です。

先ほども述べました通り、日本海にすむタラやフサカサゴの仲間の胃内容物としてしばしば見られます。日本海側の資源となりうる底魚はタラ、フサカサゴ類などで、これらの胃の中からはしばしばこの魚が見つかります。そして日本海側ではなく、太平洋側でもこれらの魚は重要な餌資源・食糧資源です。

日本産のニギス科魚類は4種が知られています。うち本種とカゴシマニギスの2種がポピュラー。イチモンジイワシは希な種で、コタカニギスは今年に新種記載されたばかりの「新顔」です。

では、このニギスは何を食べているのか。胃の中からは小さなエビなどが見られましたが・・・魚も出てきました。

キュウリエソMaurolicus japonicus Ishikawa

これこそが、タラからニギスまで、全ての日本海産肉食性深海魚の餌、つまり深海魚のもと、となる魚です。以前ご紹介しました、デメエソダマシとか、そのあたりと同じ生態系の位置にいるといえそうです。

 

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2 コメント

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Unknown (椎名)
2010-10-19 22:42:55
コメントありがとうございます。ニギスやキュウリエソは日本海の深海資源でも非常に多いものだそうです(日本海側はホテイエソとか、ハダカイワシとかが少ないようです)

そうなんです。こういうのが肉食魚の胃袋をみたします。いつだったかニギスが大量に網に入りましたがその中で巨大なエイがニギスの山にかぶりついていました。
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Unknown (鈴鹿)
2010-10-19 20:18:33
胃の内容物でピンときてニギスが思い浮かびました。やったー^^
下関市場の隅っこやトロール漁船の網によく引っ掛かっています!
たしかエビスダイの腹から出てきた覚えがあります。この子がピラミッドの上位を支えていたのですね☆
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