魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

クルメサヨリ

2022年12月13日 21時57分58秒 | 魚紹介

今日も、以前にいただいたけれどなかなか紹介できなかった魚。ダツ目・サヨリ科・サヨリ属のクルメサヨリ。2020年の秋に霞ヶ浦のそばにある道の駅で本種が手に入るという情報をTwitterの「ままつこ」さんから教えて頂き購入。ありがとうございます。なお、霞ヶ浦周辺の道の駅では「セイレンボウ」という名前で販売されている。製錬棒という意味だろうか。体が細長いのをそう見立てたのであろうか。

クルメサヨリはサヨリによく似ている種で、下顎が長いサヨリの仲間でもとくに下顎が長い種というか、頭長が短めという種であり、下顎長が頭長よりも長いのが特徴である。また胸鰭の軟条もサヨリに比べて少ないなどの違いがある。

クルメサヨリは淡水にも入るサヨリ、としても知られている。一般に河川の下流~河口域、コイ科の魚などが泳ぐ場所で見られるのは面白い。淡水域にも入ってくるのはさすがであるが、サヨリの仲間では海外では純淡水域にすむデルモゲニーなどもいる。また低塩分に対する耐性はかなりあるようだが水質汚染や環境改変による耐性はあまり高くないらしく、一部地域では個体数が大きく減っているという。本種の学名はHyporhamphus intermediusというが、従来はHyporhamohus kurumeusなる学名も使われた(後者は前者のシノニムとして消えた)。標準和名もここからきていると思われるが、有明海岸でも個体数が減っているらしい。霞ヶ浦などではいまでも食用になっているが、地域によってはすたれてしまったところもあるかもしれない。この個体はテンプラにして食べたが、かなり美味しかった。

葛西臨海公園水族園(かな?)のクルメサヨリ。2005年11月20日撮影

水族館では一度だけ、15年ほど前に葛西臨海公園水族園(だったか?)で本種が飼育されているのを見たことがある。アマモ場を模した水槽で飼育されていたが、下顎が短くなってしまっていた。小さい水槽だとそうなってしまいやすい。ホームアクアリウムでも飼育はかなり難しいという意見が強いが、そもそも輸送状態に難ありの個体も多いように思われる。もっともダツ目の魚の飼育は非常に難しく、淡水のニードルガー、デルモゲニー、メダカ類以外の種はアクアリウムでの飼育には不向きなように思える。なお、今回の個体はHN「ままつこ」さんから情報提供していただいたもの。ありがとうございました。


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