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今日は以前(2020年)に我が家にやってきたものの、紹介できていなかった魚を。ノコギリエイ目・サカタザメ科・サカタザメ属のコモンサカタザメ。サカタザメ科は、現在はノコギリエイ目の中に入るらしい。一方ミナミサカタザメは、ミナミサカタザメ属となったあと科もミナミサカタザメ科となっているが、本当に科を分けるほどに違いがあったのかはわからない。
この「魚のぶろぐ」では、サカタザメを過去に1回紹介しているが、それはカスザメを紹介した際にちょっと紹介しただけである。「エイによく似たサメ」であるカスザメと、「サメによく似て名前もサメなのにエイの仲間」であるサカタザメの比較である。しかしそれ以外にサカタザメの仲間を紹介したことは残念ながらなかった。
日本産のサカタザメ科魚類は2種で、サカタザメとコモンサカタザメが知られている。コモンサカタザメとサカタザメを見分けるポイントは二つあり、まず背面に細かい、小さな点状の斑点がある。サカタザメでは模様がないか、大きな楕円形斑である。
コモンサカタザメの頭部腹面
サカタザメ幼魚とその頭部腹面
もう一つの特徴は吻端腹面である。吻端腹面がサカタザメでは明瞭な暗褐色域があるが、コモンサカタザメでは見られない。ただしコモンサカタザメでも小さい個体では暗褐色域があるようで、明確な違いとは言えないのかもしれない。
背鰭は2つあり、尾鰭も大きいのがありサメのような雰囲気である。尾にはアカエイなどに見られる毒棘はない。ふたつの背鰭はあまり接近していない。ミナミサカタザメとはこの特徴により見分けることができるよう。
FishbaseのコモンネームはAngel fishというが、この名称は南米産のカワスズメ科魚類に充てられることが多い。またRingstreaked guitarfishという名前もコモンネームの一覧にある。環状模様のあるサカタザメ(Guitarfish)という意味であり、こちらの名称をコモンネームとして使用するほうが望ましいであろう。
本種のホロタイプは中国で採集されている。和歌山県以南の太平洋岸にもいるが、瀬戸内海や九州沿岸、日本海西部に多い。海外では中国のほか朝鮮半島の各地、台湾に生息している。今回の個体は長崎県近海の東シナ海で採集されたもので、同時にコモンカスベやカスザメなども水揚げされていた。このうちコモンカスベはこのぶろぐでもご紹介したはずである。過去記事を検索してみてほしい。ちなみに今回のコモンサカタザメは唐揚げにしていただいた。サカタザメ類はエイの仲間でも特に美味しいものなのだ。長崎県 印束商店の石田拓治さんより。いつも、ありがとうございます。
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