魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中で見苦しいところもありますが、ご容赦願います。

オオクチイワシ

2022年07月24日 21時16分20秒 | 魚紹介

今回は以前入手した魚のご紹介。ハダカイワシ目・ハダカイワシ科・オオクチイワシ属のオオクチイワシ。

ハダカイワシ科の魚は種類が多く、同定は難しい。しかしオオクチイワシはやや細長い体や体側の鱗は櫛鱗であること、尾鰭前発光器は4つであることなどが特徴である。オオクチイワシ属は世界で7種ほどが知られているが、日本産は3種である。

体は全体的にぼろぼろ。この個体はハチビキの胃の中から出てきた個体であるため、それは仕方がない。それでもハダカイワシ属(その名の通り鱗がはがれやすい)とは異なり、鱗もしっかりと残っているので同定は可能だ。発光器もぼろぼろだが、なんとか確認はできる。

口。オオクチイワシはその名の通り口が大きい。しかしながらオオクチイワシのほかにも大きな口のハダカイワシ科魚類は多いため、あまり同定には使えない。胸鰭も写っているが、胸鰭はかなり短い。

背鰭。オオクチイワシの背鰭軟条数は19~22軟条とされているがこの個体ではやや軟条数が少ないと思う。根本の部分で消化されているのかもしれない。最初はこの特徴からトンガリハダカかと思われたが、頭部の形状などはだいぶ異なっている。ちなみに日本産のほかのオオクチイワシ属魚類であるイサリビハダカでは21~24、オオセビレハダカは24~27と背鰭軟条数が多いのでオオクチイワシと見分けることができる。

分布域は広く日本近海では千島列島~土佐湾までの太平洋岸と小笠原諸島。島根県にもいるらしい。海外ではカムチャッカ半島~アメリカのカリフォルニアまでと北太平洋の広い範囲に分布している。ハダカイワシの仲間はいずれの種も昼間は沖合のかなり深い場所に生息し、夜間になると餌を追いかけ浅い海にも出現することが多いが、捕食者も多く、この科の魚は小型のものではアジの仲間から大きいものではマグロ類まで、様々な魚に捕食される。ちなみにこの個体は徳島県で採集されたハチビキの胃の中からでてきたもの。東北地方太平洋岸を曳く底曳網でも漁獲されているようだが、干物などにされるハダカイワシと異なりほとんど食用にはされていない。今回のオオクチイワシは福井県の大栗靖彦さんより。いつもありがとうございます。


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