今回は久々に我が家にやってきた魚。スズキ目・マラキクチュス科・バケムツ属のバケムツ。本種は長らくホタルジャコ科とされたが、現在はマラキクチュス科とされる。この科にはワキヤハタやオオメハタなどが含まれるが、科の標準和名はついていない。そもそもこのバケムツがマラキクチュス科も怪しい気がする。
頭はしゅっとした感じで小さい。スミクイウオは丸っこくて0系みたいだが、バケムツだと100系みたいな感じか。水の抵抗が少なく、速く泳ぐのに適しているのだろう。種標準和名ムツにも似ているが、ムツとは別科の魚である。体側の鱗ははがれやすい。この個体は釣りによって得られたものであるが、もし底曳網で漁獲されたのであれば、ぼろぼろになってしまっていただろう。
臀鰭は3棘。スミクイウオ科の魚ではほとんどが2棘であるため見分けは難しくない。日本産ではバケスミクイウオが臀鰭に3棘を持っているが、大きさなどで容易に見分けることができるだろう。このバケムツは体長で211mm、全長で255mmもあった。バケスミクイウオはもっと小さい。
バケムツはお刺身にして食べた。というか、今回でバケムツ3回目なのだが、刺身以外で食したことはない。だけど刺身で美味しいし、刺身がいちばん好きなのだからしかたがない。塩焼きや煮つけにしても美味しいかもしれないが、そもそもあまり漁獲されない。ということでこのバケムツが今回我が家にやって来た長崎産魚類の本命「その1」であった。もう1種いるのだが、これはまた後日ご紹介したい。今回のバケムツも「たくじー」「魚喰民族」こと石田拓治さんより。いつもありがとうございます。今日は短いですが、いまからお仕事なのでこれにて失礼!
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