ほぼ毎年の恒例行事となっている、高知県への遠征へ。
到着してすぐの磯遊び。まずはいつものぞくタイドプールのチェックから。昨年はわんさかとネズスズメダイやイチモンスズメダイの稚魚が見られたプールでも、今年はこれらのスズメダイの数が少ない。ネズスズメダイがかろうじて数匹見られた程度。
ロウソクギンポは多数発見。関東沿岸で見られるナベカは、高知県の磯ではなかなか見たことがない。ここではナベカの代わりにその生態的地位に入っているのではないかとも思われる。岩の穴の中や、ヘビガイの仲間の殻に巣をつくる様子は、関東近辺のナベカそのもの。また、ロウソクギンポはカエルウオ族であるようだが、この族の魚はカエルウオやヤエヤマギンポなど、アルジーイーターが多いのに対し、ロウソクギンポはほとんどコケを食べてくれない。
2日目は潜っての採集。浅場ではツマジロオコゼや、初採集種のクラカケモンガラを捕獲する。網でモンガラカワハギの仲間を採集するのは、これがはじめて。かわいいのでお持ち帰りしようと思ったが、結局お持ち帰りせずリリース。ツマジロオコゼも肉食性で、飼育する際には生餌が必要と、めんどくさいのでリリース。潜っていると、驚きの出会いがあり、これで今日の素潜り採集はとりあえず終了。その後は釣りを楽しみ、現地の採集家「ばなんさん」さんとご対面。昨年もご一緒していただいており、一緒に採集するのは2回目。成果はそれなりにあり、シマハギやハクセンスズメダイ、ニセカンランハギなど様々な魚を採集しておられたが、残念ながらチョウチョウウオの姿はなかった。海でもトゲチョウチョウウオ、フウライチョウチョウウオ、チョウハン、トノサマダイ、そしてチョウチョウウオの5種は見られたのだが、数はいつもより少なかった。
ネズスズメダイは見られたのだが、ばなんさんさんによれば、「今年は出現が早かった」とのこと。あまりに早く来すぎて縄張り争いをしているうちに淘汰されてしまったのかもしれない。とりあえず、ネズスズメダイを掬うことができて満足。ただ、結構大きいサイズ。小さいサイズは2匹しか見られなかった。
ハクセンスズメダイは実質的には初採集。荒磯に生息する種で、穏やかな波の場所には少ないかもしれない。これは後日詳しくご紹介。
シマハギは今年は食したり採集したりと当たり年かもしれない。生かしてお持ち帰り。
3日目も潜っての採集。この日は魚は昨日ほどではなかったが、それでも様々な魚を採集することができた。潜っていて珍しいシコクスズメダイや、オビテンスモドキも見かけたのだが、これらの魚は入網させることはできなかった。
オトメベラは網で採集するのは久しぶりとなる。リリース。
ソラスズメダイ。飼育は極めてしやすいのだが水槽内では黒っぽくなりやすい。それだけならまだしも、争いやすく混泳もしにくいのでリリース。ほか、キンセンイシモチや、初採集種となるブチススキベラの稚魚を発見。ブチススキベラは小さいので、カエルウオ水槽で飼育することに。写真はまた後程ご紹介したい。
その後は釣りを楽しむが、雨が降ってきたので撤収。テリエビスなどを釣り、宿へと戻る。
最終日は朝は持ち帰る魚たちのために水汲み。きれいな水にかえて、良好な状態で魚を家まで運ぶのがミッション。防波堤で魚を撮影しようとしたのだが、残念ながら強風のためそれはほとんどできなかった。その後はお土産を購入したり、お世話になった高校へ行ったり、翌日早朝に帰宅。ほとんどの魚を無事に持ち帰ることができた。今年は昨年の遠征ほど天候には恵まれなかったものの、魚には恵まれた。「ばなんさん」さんからのお土産もあり、とても楽しい遠征となった。ありがとうございました。
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