魚のぶろぐ

2006/5/28~。現在復旧作業中です。ご容赦願います。 ぶろぐの写真はオリジナルです。無断転載はお断りします。

ホウセキキントキ

2022年10月14日 21時41分32秒 | 魚紹介

この間四国へ釣り&採集へお出かけ。高知県で夕方に釣れた魚。キントキダイ科・キントキダイ属のホウセキキントキ。

ホウセキキントキは、これまでにも2回ほどこの「魚のぶろぐ」でご紹介してきたが、釣ったのは初めてである。その時はいただきものであったり、購入したものであった。なおキントキダイの仲間は2015年に一回釣っているが、これはリリースしており、未同定である。

トップ画像と同一個体。横帯が出ている

トップ画像と同一個体。赤い体になる

この魚はしばしば色彩を変えることで知られている。釣りあげてすぐのときはトップ写真のような銀色をしていたが、1分もしないうちに体側に横帯が出現し、やがて全身が真っ赤になり、それ以降色彩が変わることはなかった。この赤い色彩が、消費者がよく知るホウセキキントキになる。一方ダイバーは赤いもの、銀色のもの、そして横帯が出るもの、すべてがお馴染みであり、ダイバーの前でも色彩をすぐかえることがあるという。

群れているという話だが、今回は1匹つれただけであった。水中写真で見ると、いつも群れているわけでなく単独でいることもあるようだ。

ホウセキキントキの尾鰭

最初上がってきたのは銀色だったので、ほかのキントキダイかと思った。しかし、そういう色彩の時であっても、ほかのキントキダイ類と見分ける方法がある。それが尾鰭で、ホウセキキントキは尾鰭の後縁が少し湾入しているが、ほかのアカネキントキやキビレキントキといった種では尾鰭がわずかに丸みをおびている。ただし、ホウセキキントキでも幼魚は少しわかりにくいかもしれない。なお、ホウセキキントキは大きくなるとかなり湾入が強くなる。高知県では本種のほかに、ミナミキントキやゴマヒレキントキもいるようだが、浅い場所で見られるのはほとんど本種のようで、ミナミキントキは深場の岩礁域にすみ釣りなどで、キントキダイはやはり深場に生息し、主に底曳網などの漁法により漁獲されている。アカネキントキは定置網で見られるかもしれないが数は少ないようである。私は高知県でアカネキントキは見たことがないが、三重県や宮崎県では記録があるので、高知にいてもおかしくはないだろう。

キントキダイの仲間は美味なものが多く、本種も塩焼きで美味しい。もちろん、刺身などでも美味しい魚である。上に写っているのはヤマトカマスで、夕方にジグサビキで釣ったもの。ジグサビキではほかにもアカハタやエソ、テンジクダイ類など様々な魚がアタリを送ってくれるので、太平洋側の防波堤で試してほしい仕掛けである。


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