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筑波山麓の雑貨屋にて
「革命」概念をおぼえたての頃、ひな祭りが来た。飾られたひな人形を見て、衝動が走った。三人官女の一人と五人バヤシの一人を選び、お雛さまとお内裏さまと入れ替えた。さらに、おどろいたことはその人形移動の際、人形の首がいとも簡単に”すぽっと”抜けたことであった。かぶらの根のごときの人形のくび。お内裏さまにはおかれては、首を抜かせていただいて牛車の横に置かせていただいた。
革命。
親にはひっぱたかれるし、妹は激しく泣くし、さんざんなこととなった。
さらには、しばらしくして、泣き止んだが息もたえだえの妹は、ひとつき前に覚えたであろう所業で、ひなあられをおいらの顔面に、「鬼は外!」と散弾銃からの噴射のように、至近距離から浴びせたのであった。
これこそが、おいらが受けた生涯一度の白色テロである。