―おいらの、三毛子(みけこ)―
おいらは、漱石の『吾輩は猫である』を読んだことがない。
読み始めた。
出てくる。
三毛猫が。 しかも、複数。
そして、知らない日本語。
白君は軍人の家に居り、三毛君は代言の主人を持って居る。
わからなかった。
代言。
文の前後から職業であることはわかった。
あと、名無しの吾輩の家は教師である。
そして、軍人、教師は中産階級の職業であるから、代言もその視点から推定できる。
ここで、「中産階級の職業」などという大仰な言葉が出てくるのは、漱石が参照:reference として配置した「車屋の黒」の記載がもたらしたものだ。 でっぷりと太った黒猫は車屋の猫。胃弱の教師の家の猫が名無しの「吾輩」猫。
ちなみに、車屋とは昭和後期になっても、「漫才師」に「お前ら、今でこそ運転手と呼ばれとるが、昔で言えば駕籠かき雲助やないか」に連なる職業である、と野暮な解説を中二病に感染したばっかりの君のために付け加える。 (今でも、インドでは車屋さんが、がんばっている。)
代言に、戻る。
代言、と聞いて知ってる日本語は、三百代言。
頭に浮かんだ;
果たして、ググッてみると、やはり、代言は弁護士のことだった。
もっとも、こんなこと調べなくても、漱石の『吾輩は猫である』を読みすすめるためには、直ちに問題となることはないのだ。
さて、代言んちの猫は三毛君である。一方、二絃琴(にげんきん)の御師匠さんちの猫は三毛子(ふりがな[ルビ]は;みけこ)である。
代言んちの猫の三毛猫はオスなんだろうか? (野暮な解説だが、三毛猫のオスはめずらしい)
漱石マニアに尋ねたい。
でも、三毛君は「おなべ」かもしれません。
⇒ 『彼は新宿2丁目に養子行った。』
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