高橋洋一氏は、総需要と総供給のGDPギャップを解消するために真水の景気対策30兆円の必要性を訴えている。「最終需要者に対する財政支援」によって、新たな国内需要を生み出さなくてはならないのであり、雇用が失われることを危惧しているのだ。
働く場所がなくなれば、社会不安が増大するというのは、よくいわれることだ。安倍元首相を殺害したテロリストを賛美する国民がいるというのは、不満分子が少なくないことを語っている。
コロナ以後を見据えて、ようやく日本経済は活性化しつつある。しかし、国が率先してやるべきことをやらなければ、失速してしまうのである。日本がかろじて安定を保っているのは、アベノミクスのおかげで、若者が職に就いているからなのである。しかし、岸田首相のような緊縮財政では、それがどこまで続くか心配でならない。
失業者があふれる事態になれば、治安も悪くなり、暴力事件がいたるところで頻発するようになる。「貧すれば鈍する」なのである。若者に自民党支持者が多いのは、一にも二にも、職場があるからだ。かつての民主党政権時代の有効求人倍率は、惨憺たる数字であった。それと同じことを岸田内閣をしようとしているのではないか。
ネット時代が到来して、組織やマスコミに所属していなくても、その発言の良し悪しで、オピニオンリーダーとしての地位を手にすることが可能になった。その一人が高橋氏であり、とりわけ経済政策に関しては卓見を吐いていると思う。内閣支持率が危険水域に入ってしまった今となっては、高橋氏の提案を実行に移すことで、岸田首相は乾坤一擲の勝負に出るべきなのである。