中共が香港への国家安全法を導入したことに対して、安倍首相がG7の場で共同声明を作成するように主導することを明らかにした。自由と民主主義を守り抜こうとする香港の人たちの後ろ盾になることは、これまでの日本では考えられなかったことだ。自民党内の親中派からの反撃が予想されるにもかかわらず、あえて決断したことを高く評価したい▼早速、中共は「内政問題にいかなる外国も干渉する権利はない。日本側に深刻な懸念を表明した」が、そんな恫喝に屈してはならない。香港ではデモをすることも困難になっている。香港の次は台湾を狙っているのである。それを黙認すれば、日本の存立すら脅かしかねないのである▼日本のマスコミにしても、アメリカでの暴動は大々的に報道するが、香港のことはできるだけ触れないようにしている。それだけ中共に媚びているのである。政官財、さらにはマスコミも中共の影響下にあるなかで、面と向かって批判するというのは覚悟が求められる▼安倍首相は孤立することを恐れてはならない。ヤスパースは中共が強大な国家になることを予言していた。「全体主義国家が強制と恐怖によっておこなっていることを、自由によっておこなわなければならない」(『哲学の学校』松浪信三郎)とも説いた。今こそ我が国は自由主義世界の一員としての立場を明確にすべきなのである。
https://www.youtube.com/watch?v=sNm5_6rp3ZI
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(続)②笠井尚氏の会津の本を読む 高田保馬の『民族耐乏』
アームは9日、中国の合弁会社であるアーム・チャイナの取締役会がウー氏の解任を賛成多数で決め、2人の共同CEOを暫定で任命したと発表した。アームによると、ウー氏は『従業員規則に反し、利益相反の開示を怠るなど深刻な不適切行為』が確認された。
だがアーム・チャイナは10日に、SNS(交流サイト)上で反対声明を発表。『アーム・チャイナは中国の法律に基づき登記された独立した会社であり、ウー氏は職務を続ける。全ての業務は通常通りで、中国の顧客企業にサービスを提供する』と説明した。
取締役会で決まったトップ人事を巡って認識が食い違うのは異例だ。アーム・チャイナの内部や株主間で対立が深まっている可能性がある。
アームはモバイル機器向けプロセッサーの中核を担う『コア』の設計情報で世界シェアの9割超を握る。ソフトバンクグループが2016年に約3兆円で買収した。アームは中国に100%子会社を持っていたが、18年に51%を現地企業に売却した。中国投資(CIC)やシルクロード基金など政府系ファンドが実質株主となっている。
アームには中国での商習慣に対応して巨大市場を攻める狙いがあった。だが売却先が中国政府系であったことから、技術流出の可能性などを念頭に当時、米国の対米外国投資委員会(CFIUS)が懸念を示していたとされる。
アーム・チャイナの主要顧客は通信機器大手・華為技術(ファーウェイ)傘下の半導体メーカー、海思半導体(ハイシリコン)だ。同社はアームの技術を基に、CPU(中央演算処理装置)を開発している」(2020/06/11 日本経済新聞)。
些細な出来事のように見える。しかし、すでに報じられている数々の事柄と照らし合わせて見れば、中国共産党の行動様式が見えてくる。すなわち、利益誘導で外資を引き込み、或いは合弁会社を作らせ、技術や生産システムを学び吸収し、やがて徐々に中国共産党支配下に置いていくのである。あるいは、有望そうなIT系民営企業に対しては支援を惜しまずに育て上げ、丸々と太らせてから食ってしまうのである。