岩盤保守の自民党離れが深刻である。時代遅れの立憲民主党や共産党、社民党、れいわなどの左翼政党は問題外であり、自民党だけは「腐っても鯛」という思い込みがあったのが、今回のLGBT法案のゴリ押しで、見事に裏切られてしまったからだ。
もっとも警戒せべき者たちが、何と自民党内に巣食っていたのである。安倍さんがテロリストに殺害されてから1年が経とうとしているが、安倍さん亡き後の日本の政治は、最悪の事態を迎えている。
これまで鳴りを潜めていた党内左派が、チャンス到来とばかり、LGBT法にとどまらず、日韓通貨スワップ再開ということまでやってのけたからだ。
韓国に保守政権が誕生したことは、日本にとってもプラス材料ではあるが、外交とはあくまでもギブアンドテイクである。日本の国益を最優先させなくてはならない。バイデンが何を言ってこようが、そんな圧力に断じて屈してはならないのである。
岸田首相の体たらくを日々目の当たりにすると、北岡伸一が「国民にとって、自分の主張を託せる優れた政治家を選ぶことが、政治をコントロールする最も有効な方法である。それゆえに。政党のリーダーの質-政党が有能なリーダーを国民に提供できるかどうかーが決定的に重要なのである。要するに、政党とは、国民を主役とする政治における道具であると私は考えている」(『自民党 政権党の38年』)と書いたのは、まさしく正論なのである。
北岡も触れているように「かつて自民党は、自民党であるということだけで支持を受けていた。他に任せられる政党がないから、というのが、政党支持の最大の理由であった。リーダーと政策を、ことさら明示する必要はなかった」(『同』)のである。
しかし、今はそうではない。獅子身中の虫を排除するためにも、保守の旗を高く掲げなければならないのである。当面は少数派であるかも知れないが、多くの国民の思いはそちらに向きつつあるからだ。
日本の平和が維持されるには、国家として自立せねばならず、国際社会に対しても、応分の責任を果たすことが求められてきている。
その意味でも岸田首相の首に誰が鈴を付けるかであり、第二第三の岸田首相を誕生させないようにする力が、まだ自民党の保守派国会議員に残っているかどうかなのである。