マイノリティーの人たちを排除しないことは当然ですが、彼らこそが社会変革の担い手と位置付けることは、人々の間に分断を生み、アントニオ・ネグリのマルチチュード(多数派民衆)の革命に手を貸すだけです。
リベラル経済学の泰斗と言えばハイエクです。彼は革命など望んではいませんでした。人間の作為による強引な変革は、桎梏をもたらし「自由を奪うことになる」と警告を発しました。
ハイエクによれば、人類がこれまで築いてきた道徳、法律、慣習というものは、それ自体に根拠があるから続いてきたのです。そして、過去から受け継がれてきた既存のルールの上にこそ、自由が成立するのです。それは強制ではなく、自然と身に付いたルールであり、それを壊そうとする勢力は、自由の基盤を破壊しようとしているのです。
マスコミや左翼がマイノリティーの人たちを利用するのは、今の民主主義体制を倒し、独裁全体主義への道へと向かわせたいからです。
もはや昔のような左翼は存在しません。マルクスの絶対窮乏化説や労働価値説などは、経済学の分野で否定されてしまったからです。残された革命としては、マルチチュードしかありません。だからこそ、左翼によるマイノリティーを押し立てた運動が、世界各地で起きているのです。