連載小説「Q」42
子供は三人とも相手を連れてきた。
そして、結婚を契機に家を出ていった。
家は二人きりになった。
そんな生活が十四年続いた。
夫婦喧嘩もたまにするが昔のように引きずらない。
一日経てば原因も忘れてしまう。
淡々とした生活が飛ぶように過ぎていった。
雑談しながら夕食を食べ、テレビドラマの録画を観た後、妻は二階に上がる。
子供たちがいなくなってから、順平は一階、妻は二階で眠ることにしている。
未だに妻のことが分からない。
妻も同じだと思う。
一人でしばらくテレビを観た後、順平も書斎の四畳半に引っこむ。
そこで酎ハイ一缶、糖質ゼロのビール一缶を飲む。
コマーシャルメールばかりの受信トレイを覗き、ネットでニュースを読み、パソコンで録画したドラマを一本見る。
その頃には酔いが回ってくる。
何かから解放される。
寝室に戻る。
睡眠剤を半分に割り、半分は寝床に入ってから飲み、半分は夜中にトイレに起きた時に飲む。
それで一日が過ぎる。
寝る前に
――目覚めることがないかもしれない
と一瞬思う。
毎日がその繰り返しだ。
連載小説「Q」#1-#40をまとめました。
子供は三人とも相手を連れてきた。
そして、結婚を契機に家を出ていった。
家は二人きりになった。
そんな生活が十四年続いた。
夫婦喧嘩もたまにするが昔のように引きずらない。
一日経てば原因も忘れてしまう。
淡々とした生活が飛ぶように過ぎていった。
雑談しながら夕食を食べ、テレビドラマの録画を観た後、妻は二階に上がる。
子供たちがいなくなってから、順平は一階、妻は二階で眠ることにしている。
未だに妻のことが分からない。
妻も同じだと思う。
一人でしばらくテレビを観た後、順平も書斎の四畳半に引っこむ。
そこで酎ハイ一缶、糖質ゼロのビール一缶を飲む。
コマーシャルメールばかりの受信トレイを覗き、ネットでニュースを読み、パソコンで録画したドラマを一本見る。
その頃には酔いが回ってくる。
何かから解放される。
寝室に戻る。
睡眠剤を半分に割り、半分は寝床に入ってから飲み、半分は夜中にトイレに起きた時に飲む。
それで一日が過ぎる。
寝る前に
――目覚めることがないかもしれない
と一瞬思う。
毎日がその繰り返しだ。
連載小説「Q」#1-#40をまとめました。