連載小説「Q」第二部1
テレビは新型コロナウイルスの回顧番組を繰り返している。
七都道府県に緊急事態宣言が出てから五年過ぎた。
「もう五年になるのか」
と田代順平は呟いた。
二三年前の出来事のような気がする。
桜は今年も春を忘れずに咲いている。
一年はあっという間に過ぎ、それが五回繰り返されて順平は七十八才になった。
曾孫が出来た。
初孫が長女そっくりな曾孫を抱いて順平の前に現れた時は何故だか笑ってしまった。
時間が五十年巻き戻されたような気がした。
今年の大暑で七十九才になる。
八十才が近づいてくる。
八十年も生きるとは思わなかったが、もう八十年かと思う気もある。
連載小説「Q」第一部をまとめました。
テレビは新型コロナウイルスの回顧番組を繰り返している。
七都道府県に緊急事態宣言が出てから五年過ぎた。
「もう五年になるのか」
と田代順平は呟いた。
二三年前の出来事のような気がする。
桜は今年も春を忘れずに咲いている。
一年はあっという間に過ぎ、それが五回繰り返されて順平は七十八才になった。
曾孫が出来た。
初孫が長女そっくりな曾孫を抱いて順平の前に現れた時は何故だか笑ってしまった。
時間が五十年巻き戻されたような気がした。
今年の大暑で七十九才になる。
八十才が近づいてくる。
八十年も生きるとは思わなかったが、もう八十年かと思う気もある。
連載小説「Q」第一部をまとめました。