今日は梅雨入り前の貴重な快晴の青空。乗換駅で電車が遅れており、病院最寄り駅の到着がいつもより5分ほど遅れた。レントゲン撮影から開始で、受付後15分ほど待って終了。内科受付後、中待合を経て診察室に入るまで小一時間待った。
「先週は特に変わりなく・・・」と報告した後、先生から「(レントゲン画像を見せてくださりながら)左肺の影が濃くなっていますね。マーカーは(前回お知らせしたとおり)1回下がったのがまた4月並に戻っているので、治療を変更してもいいかな、ということで、ヒスロンですね。」とのお話があった。
「(初発時に使ったタモキシフェンのノルバデックス、再発後に使ってきたアロマターゼ阻害剤のフェマーラ、アロマシンからの変更なので、)今回のヒスロンはホルモン治療薬最後の選択肢になる(その後の治療は抗がん剤のみ)と思いますが、(再発後の)2つの薬が各々半年、1年半しか効かなかったということと、副作用を考えるとどうでしょうか。」と尋ねたところ、タモキシフェンと同系列の薬だが、状況によってはトレミフェンを使うこともある、しかし、やはり今は使っていない系列の薬からということで、ヒスロンの方が優先順位が高いこと、現在、他にも(ヒスロンを)3,4年(効いていて)飲んでいる方、1,2年飲んでいる方がいること、副作用の血栓等についてもCTを撮っていくので(症状が出なくても)わかる等の説明をして頂いた。
「この病気には肥満が大敵なのに、エストロゲンを抑えて普通より脂肪が蓄積しやすくなっていることに加え、今回のヒスロンで体重増加、顔面膨張、食欲増進という相反する副作用が判っていながら(効き続けている間)何年も服用することについて(仕方ないとは思うが)どうしても割り切れないものがある。」ことをお話する。先生いわく(副作用と効果の)両者を天秤にかけて効果の方が多いということで副作用が許容される、とのこと。マーカーの上昇はゆっくりなので、薬の変更は今日決めても次回まで残りの薬を飲み終わってから決めても遅くないとのこと。治療変更になれば区切りの段階でまたCT撮影が必要だと思うが、というお話になり、翌週末にCTの予約をして頂いた。いずれにせよ、引っかかるものがあるなら、“納得することが大事”で、納得してから治療変更をしたほうがよい、と言われたが、観念して薬を処方して頂いた。
今回の薬は最大1日6錠まで使えるが、初回は1日3回、1回1錠からスタートで、とのこと。
処置室に移動して、針刺・血圧測定後、点滴薬到着まで1時間。点滴が始まったのはお昼を回っていた。4本の点滴が終了するのには最短でも3時間はたっぷりかかる。お昼は点滴椅子でサンドイッチをかじった。
待っている間、「先生は(区切りの段階で)CTを撮るタイミングは新しい薬を飲み始めてからでも問題ないとのことでしたが、やはり自分としてはスッキリけじめをつけるためにCT当日までは今の薬を飲んで(CTの結果は今の薬の影響のみ、という状態にして)その翌日から薬を変えたいのですが・・・」ということを先生に伝えて頂いたところ、帰りには問題なく了承されました、とお返事があった。
今日は窓際の椅子が満席だったので、カーテンの仕切りの中、部屋の中央の椅子だった。隣のベッドから「あまりに辛くて・・・」と声を押し殺した泣き声が聞こえてきたり、隣の椅子から「そんな副作用があるなんて聞いていない」という不機嫌そうな声等、あまり嬉しくない音がいろいろ聞こえてしまい、正直滅入った。看護師さんも受け止めて対応するのは本当に大変だ。看護師さんたちの定期的なメンタルケアが必要だろう、と思う。
とにもかくにも無事終了して会計。病院を出て薬局に寄って薬を受け取り、やはり家に着いたのは仕事を終えて帰宅するのと変わらない時間になった。
今日は3冊読めた。
1冊目は夏樹静子さんの「腰痛放浪記 椅子がこわい」(新潮文庫)。夏樹さんが腰痛で苦しんでおられたのは知っていたけれど、実際この本を読んで本当に大変だったのだ、と怖くなった。裏表紙には「時には死までを思い浮かべた鋭い腰の疼痛は、実は抑制された内なる魂の叫びだった。3年間の地獄の責め苦は、指一本触れられずに完治した。」とあるが、心と体の表裏一体ともいえる関係を思い知らされた。私も30歳の時に仕事で重いカメラを担いで以来、椎間板ヘルニアになり、一時は歩けなくなった。コルセットを作り、自分の体重と同じ重さで牽引し、電気をあて、薬を飲み・・・と丸々2年以上通院した。医師には妊娠出産で良くなるかもしれないと言われたが、今では調子が悪くなりそうなときは決して無理をせず、何とかうまく付き合っている。それにしても腰は字のとおり本当にカラダの要である。
2冊目は古荘純一さんの「日本子どもの自尊感情はなぜ低いのか 児童精神科医の現場報告」(光文社新書)。「幸福度が世界最低レベルの日本の子ども。その心の中=調査の解答用紙を眼にしたときの衝撃が忘れられない=。何が子どもたちの「心の居場所」を奪っているのか。」という帯のとおり、多くの子どもたちが自分に自信がなく、自分自身や学校などの満足度に関する質問に対し、下から二番目の答えを選択しているという。最終章では子どもとどう関わったらよいのか。=子どもの話に耳を傾け、まずはお母さんが、そしてお父さんも自己を肯定する。親の期待を押し付けず、子どもを肯定的に受け止める。子ども自身が目標、希望を持てるようにする。規則正しい生活習慣の確立を、大人がみんなで子どもを育む社会を目指す。=とあったが、親自身の自尊感情が低いと子どものそれも低くなる、ということについてはさもありなん、と反省した。
3冊目は池田清彦さんの「正しく生きるとはどういうことか」(新潮文庫)。“正しく生きることは、別に道徳や倫理を守ることではなく、自分なりの規範を設け、その中でうまく欲望を開放しながら楽しむこと、つまりまず“善く”生きること。だが社会で生きる以上、自分と他人の欲望を調停する必要がある。そしてこそ正しく生きることが出来る。眼からウロコの生き方指南。”と裏表紙にあるとおり、池田節を実に興味深く読んだ。
「先週は特に変わりなく・・・」と報告した後、先生から「(レントゲン画像を見せてくださりながら)左肺の影が濃くなっていますね。マーカーは(前回お知らせしたとおり)1回下がったのがまた4月並に戻っているので、治療を変更してもいいかな、ということで、ヒスロンですね。」とのお話があった。
「(初発時に使ったタモキシフェンのノルバデックス、再発後に使ってきたアロマターゼ阻害剤のフェマーラ、アロマシンからの変更なので、)今回のヒスロンはホルモン治療薬最後の選択肢になる(その後の治療は抗がん剤のみ)と思いますが、(再発後の)2つの薬が各々半年、1年半しか効かなかったということと、副作用を考えるとどうでしょうか。」と尋ねたところ、タモキシフェンと同系列の薬だが、状況によってはトレミフェンを使うこともある、しかし、やはり今は使っていない系列の薬からということで、ヒスロンの方が優先順位が高いこと、現在、他にも(ヒスロンを)3,4年(効いていて)飲んでいる方、1,2年飲んでいる方がいること、副作用の血栓等についてもCTを撮っていくので(症状が出なくても)わかる等の説明をして頂いた。
「この病気には肥満が大敵なのに、エストロゲンを抑えて普通より脂肪が蓄積しやすくなっていることに加え、今回のヒスロンで体重増加、顔面膨張、食欲増進という相反する副作用が判っていながら(効き続けている間)何年も服用することについて(仕方ないとは思うが)どうしても割り切れないものがある。」ことをお話する。先生いわく(副作用と効果の)両者を天秤にかけて効果の方が多いということで副作用が許容される、とのこと。マーカーの上昇はゆっくりなので、薬の変更は今日決めても次回まで残りの薬を飲み終わってから決めても遅くないとのこと。治療変更になれば区切りの段階でまたCT撮影が必要だと思うが、というお話になり、翌週末にCTの予約をして頂いた。いずれにせよ、引っかかるものがあるなら、“納得することが大事”で、納得してから治療変更をしたほうがよい、と言われたが、観念して薬を処方して頂いた。
今回の薬は最大1日6錠まで使えるが、初回は1日3回、1回1錠からスタートで、とのこと。
処置室に移動して、針刺・血圧測定後、点滴薬到着まで1時間。点滴が始まったのはお昼を回っていた。4本の点滴が終了するのには最短でも3時間はたっぷりかかる。お昼は点滴椅子でサンドイッチをかじった。
待っている間、「先生は(区切りの段階で)CTを撮るタイミングは新しい薬を飲み始めてからでも問題ないとのことでしたが、やはり自分としてはスッキリけじめをつけるためにCT当日までは今の薬を飲んで(CTの結果は今の薬の影響のみ、という状態にして)その翌日から薬を変えたいのですが・・・」ということを先生に伝えて頂いたところ、帰りには問題なく了承されました、とお返事があった。
今日は窓際の椅子が満席だったので、カーテンの仕切りの中、部屋の中央の椅子だった。隣のベッドから「あまりに辛くて・・・」と声を押し殺した泣き声が聞こえてきたり、隣の椅子から「そんな副作用があるなんて聞いていない」という不機嫌そうな声等、あまり嬉しくない音がいろいろ聞こえてしまい、正直滅入った。看護師さんも受け止めて対応するのは本当に大変だ。看護師さんたちの定期的なメンタルケアが必要だろう、と思う。
とにもかくにも無事終了して会計。病院を出て薬局に寄って薬を受け取り、やはり家に着いたのは仕事を終えて帰宅するのと変わらない時間になった。
今日は3冊読めた。
1冊目は夏樹静子さんの「腰痛放浪記 椅子がこわい」(新潮文庫)。夏樹さんが腰痛で苦しんでおられたのは知っていたけれど、実際この本を読んで本当に大変だったのだ、と怖くなった。裏表紙には「時には死までを思い浮かべた鋭い腰の疼痛は、実は抑制された内なる魂の叫びだった。3年間の地獄の責め苦は、指一本触れられずに完治した。」とあるが、心と体の表裏一体ともいえる関係を思い知らされた。私も30歳の時に仕事で重いカメラを担いで以来、椎間板ヘルニアになり、一時は歩けなくなった。コルセットを作り、自分の体重と同じ重さで牽引し、電気をあて、薬を飲み・・・と丸々2年以上通院した。医師には妊娠出産で良くなるかもしれないと言われたが、今では調子が悪くなりそうなときは決して無理をせず、何とかうまく付き合っている。それにしても腰は字のとおり本当にカラダの要である。
2冊目は古荘純一さんの「日本子どもの自尊感情はなぜ低いのか 児童精神科医の現場報告」(光文社新書)。「幸福度が世界最低レベルの日本の子ども。その心の中=調査の解答用紙を眼にしたときの衝撃が忘れられない=。何が子どもたちの「心の居場所」を奪っているのか。」という帯のとおり、多くの子どもたちが自分に自信がなく、自分自身や学校などの満足度に関する質問に対し、下から二番目の答えを選択しているという。最終章では子どもとどう関わったらよいのか。=子どもの話に耳を傾け、まずはお母さんが、そしてお父さんも自己を肯定する。親の期待を押し付けず、子どもを肯定的に受け止める。子ども自身が目標、希望を持てるようにする。規則正しい生活習慣の確立を、大人がみんなで子どもを育む社会を目指す。=とあったが、親自身の自尊感情が低いと子どものそれも低くなる、ということについてはさもありなん、と反省した。
3冊目は池田清彦さんの「正しく生きるとはどういうことか」(新潮文庫)。“正しく生きることは、別に道徳や倫理を守ることではなく、自分なりの規範を設け、その中でうまく欲望を開放しながら楽しむこと、つまりまず“善く”生きること。だが社会で生きる以上、自分と他人の欲望を調停する必要がある。そしてこそ正しく生きることが出来る。眼からウロコの生き方指南。”と裏表紙にあるとおり、池田節を実に興味深く読んだ。