ネットの新聞記事を見ていた夫から、「ちょっと読んでみて。」と言われた。以下記事の全文である。
嘱託殺人 「苦しむ父、見かねた」容疑の少年
6月13日2時33分配信 毎日新聞
大阪市鶴見区のマンションで12日、少年(17)が病気の父親(44)を殺害した容疑で逮捕された事件で、父親が少なくとも数カ月前から、少年に「しんどい。殺してくれ」と殺害を懇願していたことがわかった。また、大阪府警鶴見署によると、少年は父親からの殺害の依頼に従った理由を、「父親が苦しむ姿を見るに見かねてやった」という趣旨の言葉で説明しているという。父親は肝臓を患うなど最近になって体調を悪化させており、同署は、体調に悩んだ父親が少年に繰り返し殺害を頼んでいたとみて、さらに詳しく調べている。
父親の知人らによると、父親は体調の悪化で、最近は寝たきり状態だった。次第に弱音も吐くようになっていたという。父親は今年に入り、近所の飲食店を訪れた際、一緒に食事をしていた少年に「もうしんどい。おれを殺してくれ」と漏らした。これを聞いた店の経営者がすぐに「大事な息子に何させるんや」とたしなめたという。【安藤龍朗、向畑泰司】
◇母は数年前に病死
「(少年は)父親のことがとても好きで尊敬していた。父親にとっても自慢の息子だった」。仲が良かった父子を知る人らは一様にこう話した。しかし、少年は自らの手で父親の命を絶った。
父親の知人らによると、少年は一人っ子で、母親は数年前に病死した。父親は当時、「(母親を)幸せにしてやれなかった」と落ち込む一方で、「(少年と)2人で頑張る」とも話していたという。父親はこのころから「眠れない」と言って、睡眠導入剤を服用するようにもなった。
父親と親しい運送業の男性(26)は「とにかく、父親は(少年を)かわいがっていた。小学生のころは我流でキックボクシングを教え、礼儀もきちんとしつけていた」と話す。また、父子が食事のために通っていた近くの居酒屋の店長(40)は「父親はいつも『あいつはええ男や』と息子を自慢した。(少年は)近所の人に会うと、きちんとした言葉であいさつする礼儀正しい子だった」と語った。
しかし、父親は体調を崩しながらも好きな酒をやめることはなく、症状は悪化する一方だった。近所の住人によると、事件前日の11日夕にも、日本酒3ケースが自宅に届けられていたという。
事件を知った知人らは少年の動機について、口々にこう推し量った。「大好きな父親がどんどん弱っていくのが、しんどかったんだと思う」--。(記事ここまで)
やり切れなさを思う。そして家族構成も私が病気を抱えていることも同じ、と、どうしても我が家の状況と照らし合わせて冷静でいられない。
夫は3年ほど前、3人で近くのレストランでワインつきの夕食をとった後、スーパーで買い物中貧血で倒れ、後頭部を打って救急車で運ばれて以来、すっかりお酒を絶っていた。それでもやむを得ないお付き合いもあり、最近ではウーロン茶だけで過ごしている、ということはないようだ。
息子が産まれる前、私が半年間欧州研修で家を空けた時も、だんだん酒量が増えていったといい、当時は殆ど下戸だったはずが、帰宅した時にはかなりイケル口になっていた。
前にも書いたが、息子は結構さばさばしているし、あまり後ろを振り向かない性格なので(というか反省しない性格)、心配していないのだが、夫についてはとても気がかり。
これでこの新聞記事のようなことになりでもしたら、と胸がかきむしられる思いだ。
自慢の息子、尊敬する父・・・その2人の間に起きた悲劇。十分分別もあるだろう17歳の少年が、大好きなお父さんを殺めればこの後自分はどうなるのか想像できただろうに、それでもそうしなければならなかった気持ちを思うと本当にやり切れない。
夫は「息子にはこんなことはさせてはいけないよな。」と一言。
そう、お父さん、私がもしこの後具合が悪くなってあなたたちを置いて先に逝くことになっても、ちゃんと2人で前を向いて生きていってくれないと、私は死ぬに死ねません。という気持ちだ。
嘱託殺人 「苦しむ父、見かねた」容疑の少年
6月13日2時33分配信 毎日新聞
大阪市鶴見区のマンションで12日、少年(17)が病気の父親(44)を殺害した容疑で逮捕された事件で、父親が少なくとも数カ月前から、少年に「しんどい。殺してくれ」と殺害を懇願していたことがわかった。また、大阪府警鶴見署によると、少年は父親からの殺害の依頼に従った理由を、「父親が苦しむ姿を見るに見かねてやった」という趣旨の言葉で説明しているという。父親は肝臓を患うなど最近になって体調を悪化させており、同署は、体調に悩んだ父親が少年に繰り返し殺害を頼んでいたとみて、さらに詳しく調べている。
父親の知人らによると、父親は体調の悪化で、最近は寝たきり状態だった。次第に弱音も吐くようになっていたという。父親は今年に入り、近所の飲食店を訪れた際、一緒に食事をしていた少年に「もうしんどい。おれを殺してくれ」と漏らした。これを聞いた店の経営者がすぐに「大事な息子に何させるんや」とたしなめたという。【安藤龍朗、向畑泰司】
◇母は数年前に病死
「(少年は)父親のことがとても好きで尊敬していた。父親にとっても自慢の息子だった」。仲が良かった父子を知る人らは一様にこう話した。しかし、少年は自らの手で父親の命を絶った。
父親の知人らによると、少年は一人っ子で、母親は数年前に病死した。父親は当時、「(母親を)幸せにしてやれなかった」と落ち込む一方で、「(少年と)2人で頑張る」とも話していたという。父親はこのころから「眠れない」と言って、睡眠導入剤を服用するようにもなった。
父親と親しい運送業の男性(26)は「とにかく、父親は(少年を)かわいがっていた。小学生のころは我流でキックボクシングを教え、礼儀もきちんとしつけていた」と話す。また、父子が食事のために通っていた近くの居酒屋の店長(40)は「父親はいつも『あいつはええ男や』と息子を自慢した。(少年は)近所の人に会うと、きちんとした言葉であいさつする礼儀正しい子だった」と語った。
しかし、父親は体調を崩しながらも好きな酒をやめることはなく、症状は悪化する一方だった。近所の住人によると、事件前日の11日夕にも、日本酒3ケースが自宅に届けられていたという。
事件を知った知人らは少年の動機について、口々にこう推し量った。「大好きな父親がどんどん弱っていくのが、しんどかったんだと思う」--。(記事ここまで)
やり切れなさを思う。そして家族構成も私が病気を抱えていることも同じ、と、どうしても我が家の状況と照らし合わせて冷静でいられない。
夫は3年ほど前、3人で近くのレストランでワインつきの夕食をとった後、スーパーで買い物中貧血で倒れ、後頭部を打って救急車で運ばれて以来、すっかりお酒を絶っていた。それでもやむを得ないお付き合いもあり、最近ではウーロン茶だけで過ごしている、ということはないようだ。
息子が産まれる前、私が半年間欧州研修で家を空けた時も、だんだん酒量が増えていったといい、当時は殆ど下戸だったはずが、帰宅した時にはかなりイケル口になっていた。
前にも書いたが、息子は結構さばさばしているし、あまり後ろを振り向かない性格なので(というか反省しない性格)、心配していないのだが、夫についてはとても気がかり。
これでこの新聞記事のようなことになりでもしたら、と胸がかきむしられる思いだ。
自慢の息子、尊敬する父・・・その2人の間に起きた悲劇。十分分別もあるだろう17歳の少年が、大好きなお父さんを殺めればこの後自分はどうなるのか想像できただろうに、それでもそうしなければならなかった気持ちを思うと本当にやり切れない。
夫は「息子にはこんなことはさせてはいけないよな。」と一言。
そう、お父さん、私がもしこの後具合が悪くなってあなたたちを置いて先に逝くことになっても、ちゃんと2人で前を向いて生きていってくれないと、私は死ぬに死ねません。という気持ちだ。