いとうせいこう著「自己流園芸ベランダ派」という本を読んだ。
ユーモアあふれる文章に、何度も笑ってしまったが、目からうろこだったのは、
氏が鉢植えを買ってきて枯らし、それでもまた同じ植物を買ってきたと
繰り返し書いていたことだった。園芸の本でそれを言うか?
植物を枯らしてしまうと、わたしなどは罪悪感をおぼえる。
さらには、一度うまくいかなかった植物をもう一度買うのはためらわれる。
でも氏は、鉢植えは買ってきたときが最高の状態で、死んでなんぼだと言う。
うまく育たないとしても、だめなものは、だめでいい、と。
そうか、こんなに気楽でいいのか……。
わたしももっと軽い気持ちで植えることにしよう。
とはいえ、二度、三度と育ててみてうまくいかないのは、
やはり庭との相性がよくないと考えるべきだろう。
うちの場合、一番に思いつくのがカスミソウだ。
二度育てたが、花のつきもよくないし、二度とも梅雨時に枯れた。
ルピナスもだめみたいだ。苗を植えても、種から育てても、
あまり大きくならないし、夏越しできなかった。
ゼラニウムも苦手かもしれない。
でも、こうやって探してみると、意外に少ないなあ。
大繁殖しているものを数えあげるほうがずっと簡単だから。