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「余命3ヵ月」のウソ

2014-07-07 10:44:51 | 本・映画・音楽の感想

筆者は「予防医学」というのは、「患者を呼ぼう医学」だと言う。
癌検診を盛んに行っているのに、じつは癌死はまったく減っていないのだと。

癌検診を受けて早期発見できたせいで生存期間が延びたという言葉のうらには
トリックがある。自覚症状が出てから医者にかかった人の癌は、
当然のことながら、早期発見した人の癌よりかなり大きくなっている。
癌がそれだけ大きくなる期間を早期発見した人の生存期間に繰り入れて、
あたかも全体的により長く生きたように思わせている。

それどころか、自覚症状もなく健康だった人が、検診で癌を発見されたばかりに、
治療で寿命を縮める可能性が高いというのだ。癌を切ったり、放射線を当てたり、
化学療法を行ったりするせいで、からだは痛めつけられ、その結果、
なんの治療もしないでいたら、かなりの期間QOLを落とさずにすごせていたはずが、
入院して治療したせいで、入院前日までふつうに暮らしていた人が、
体力を回復できないまま、病院を出ることもなく亡くなるということが起きる。

以前からわたしは、癌になったとしても、つらい副作用を伴う化学療法や、
深刻な後遺症の残る手術は拒否して、なにもしないでおこうと思っていた。
それが一番いいと裏づけられた気がしてとても心強い。

集団検診や人間ドックで行われるレントゲン撮影やCT検査のせいで
日本人の医療被曝は世界一多いという。癌検診は百害あって一利なし。
欧米では肺癌検診や胃癌検診に消極的になってきているそう。
日本でさかんに受けようと宣伝されている乳癌検査、マンモグラフィーにしても、
真正ではない癌まで癌と認識し、放置しておいてもなんら危険ではないのに
手術して切り取り、それで早期発見して完治したと謳っているケースが
多いらしい。

この本だけ読んで、100%鵜呑みにするのはやや危険だと思うが、
少なくとも癌の宣告を受けたら、参考のために読んでみる価値はあると思う。


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