さて、連日のお誘い。元同僚の出向解除で送別とのこと。前日の新橋のワインのみ放題のダメージはまったくないのでお引き受け。 河岸はどこかと問えば、千葉の栄町、それも風俗ど真ん中の焼鳥屋。伝説の焼鳥屋「鳥辰」。送別にしてはイヤに汚ねえとこでやるじゃん。もうやめたんじゃないかと聞くとみんな曖昧だ。看板がないだとか、煙がででいるとこを見たこと無いだとか、何かと疑問が多い店だ。ご当人、千葉から帰る前に是非一回行ってみたいと言うもんだから親父に開けて貰ったんだとか。
日も沈み一足先にソープの兄ちゃんの呼び込みを10人以上かわして「鳥辰」の前へ。昔、栄町全盛の頃、近くのスナックへのお土産に何回か寄った覚えもある。おいおい看板は外されているぜ。電気が付いてねえ。人の気配もねえ。幹事に早速電話。そうこうする内に電気が付いた。恐る恐る中の親父に入っていいかいと聞くが、予約しかやってないよとの返事。それで安心、幹事の名前を言ったら奥の座敷を示される。三畳ぐらいの奥座敷、汚いてえもんじゃねえ、座布団やら本やら何だか知らないものがテーブル側に崩れている。デコラのテーブルは、多分前のタレだろうこびり付いている。
その内、本隊がご到着。手にはコンビニの袋、中はおしんこ、ポテト、豆腐、イカの珍味など。ようするに焼き鳥とビールと日本酒しかない店。コップは一人に一つづつ。別な酒を飲むときはその酒を少し入れて洗って飲むのがこの店のシキタリ。水割や水が飲みたい人は紙コップを買ってくること。
しかし、焼き鳥は流石である、豪快に半身を炭火で焼き上げ、絶妙のタレ(塩もある)でだす。まずは半身、その次、ももを注文。皆一斉にむしゃぶり付くが、どうも前歯が修理中のおジンには具合が悪い。かぶりつくが神経に障っていたい。しょうがないから手で千切る。勿論フォークなんぞという文明の利器はない。お淑やかに手で千切りながら口の奥に放り込む相当厄介だ。それでも旨いので完食。
ビール大瓶、なんと冷えているではないか。日本酒は熱燗を魔法瓶で出す。酒はそれだけ。日本酒のお代わりは魔法瓶ごととなる。ちなみに銘柄は白鹿とのこと。
焼酎評論家にあって流浪の独身肥満児Yさんの持ち込みは、日本最西端与那国島の60度の泡盛「よなぐに」。表記は原料用アルコール。「花酒」とよばれているそうだ。火をつけるといつまでも燃える。しかし、華やかな香りがあり、口に含むとアルコールの高さを感じさせないマイルドさがある。絶品である。そこでチェーサー(水)がほしと比較的若手の諸君を煩わせ、またもやコンビニへ水を買い出しをお願いした。気を利かして、もずくやソーセージも買ってきた。しかし、食い物はもういい、串が焼き上がったところでお腹は限界。日本酒も魔法瓶のお代わりもした。60度の「よなぐに」グラス半分でも相当いっている。
テーブルの残りや鳥の骨やティッシュをビニール袋に入れて、次へと貸し切りの店を出る。こちとらアキバで10時過ぎに会う約束あるので、ソープの兄さん達を振り切り千葉駅に一目散。Yさんご馳になりました。