散日拾遺

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8月15日

2013-08-15 12:40:34 | 日記
2013年8月15日(木)

済美高校の安楽、昨日はリズムに乗り切れず(初回早々のチームメートのアクシデントが影響したとみる)、7点取られる乱戦になったが、その中で時速155㎞という甲子園タイ記録を作った。
これまで、この記録を単独で保持していたのは仙台育英の佐藤由規、現ヤクルト・スワローズのヨシノリである。

思い出すことがある。

2007年の第89回大会、8月15日の第二試合、仙台育英高校は2回戦で智弁学園と対戦した。この試合の4回裏に由規は155㎞/hを記録するのだが、その前か後か、たぶん後ではないかと思う。

正午になった。

終戦記念日の正午には、試合を中断して一分間の黙祷を捧げる。
ちょうどマウンドに佐藤由規がいた。事前に指示されていた通りにであろう、炎天下に脱帽し、直立のまま合掌瞑目した。

テレビの前で黙祷に合しようとして目が離せなくなった。
由規の立ち姿が、見事なのだ。

無心に手を合わせるイガグリ頭に汗が光っている。
すっくと直立して力強く、それでいて若者らしく柔らかい。力を矯めながら力の抜けた、美しい姿である。
軽くうつむいた頭と閉じた目を見ながら、「無心の祈り」といったことを思った。

この試合を2-5で落とし、仙台育英と由規の夏は終わった。
僕は由規のファンになり、彼がヤクルトに入団したときは狂喜したのだった。
彼は土地っ子である。東日本震災で家族は幸い無事だったが、下級生の頃に球を受けてくれた一年上のキャッチャーが亡くなったと聞いた。

故障なんかに負けるな、帰って来いよ~!

*****

記録しておくべきことは、むろん限りなくある。

父は陸軍士官学校本科に属し、信州小諸あたりに待機していた。情報錯綜し、武装解除・解散に至るまで数日を要した。それから長い道のりを伊予・松山に向かってたどることになる。

母は伝えられた玉音放送の内容を、にわかに信ずることができなかった。前年の兄の戦死は、それでは無駄だったというのか?

落ち着いて、丁寧に書き留めていこう。