散日拾遺

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起翦頗牧 用軍最精 宣威沙漠 馳譽丹青 ~ 千字文 075、076

2014-07-17 06:48:10 | 日記
2014年7月17日(木)
○ 起翦頗牧 用軍最精
前段は人名、白起(ハクキ)、王翦(オウセン)、廉頗(レンパ)、李牧(リボク)
白起と王翦は秦の、廉頗と李牧は趙の、それぞれ名将だった由。
後段は「軍を用いるに最も精(すぐれ)たり」

白起と廉頗は直接対峙したらしく、互いの力量を知るため迂闊に戦端を開けず、戦線膠着した。
そこで白起は一計を案じ、「廉頗は恐るに足りず、趙括恐るべし」と殊更に吹聴した。
これに乗った趙王は廉頗を下げて趙括を起用、趙括は兵を率いて白起に挑んだが大敗し、40万人が捕虜になった。
白起は捕虜をすべて生き埋めにし、趙括を射殺したとある。

どっちへ転んでも肌寒いことだ。
こんなところはさっさと通り過ぎよう。

○ 宣威沙漠 馳譽丹青
威(いきおい)を沙漠(砂漠)に宣べ、譽(ほまれ)を丹青に馳せたり。
丹青は赤青の絵の具、転じて肖像画。
武威を誇った名将らは、史書に名が刻まれ姿が絵に残されることを言ったのだ。

『殺人狂時代』のベルドゥー氏の台詞を思い出す。
1人殺せば死刑囚、大勢殺せば名将軍、そんなような意味だったかな。
広島に原爆を投下したB29「エノラ・ゲイ」は、機長が自分の母親の名前を愛機につけたのだ。
この女性の名前は、末永く記憶されることだろう。