
1月8日 フーコーが振り子によって地球の自転を証明する
> 1851年1月8日、フランスの科学者レオン・フーコーは、パリにある自宅の実験室で、大きな振り子を使った最初の実験を試みた。長さ2メートルの振り子の揺れがずれていくことによって、地球の自転を証明したのである。
またしてもコロンブスの卵である。誰でも身近に観察できたはずの事実から、わずかな飛躍によって地球の自転を証明してみせたのだ。ため息が出る。
とはいえ、振動面のズレを観察できるほど長時間にわたって、安定して振れ続ける振り子を準備するのは、意志と見通しがなければできないことである。技術的には造作もないが、理由がなければ思いつきはしない。フーコーは地球の自転を確信し、その実証法を探した末に「振り子」に想到したのか、それとも何らかの事情で振り子の動きを見ていて、地球の自転を推論したのか。
振り子の等時性はほかならぬガリレオ・ガリレイ(1564-1642)の発見である(ガリレオはシェイクスピアと同年の生まれ!)。振り子時計のアイデアも持っていたとされるが自身で製作することはなく、ガリレオ没後の1656年になって、オランダ人ホイヘンス(1629-95)が振り子の等時性を利用した定速機構を時計に導入した。さらに200年後、振り子が地球の自転を証明する。宇宙のどこかに巨大な振り子が触れ続け、時間と物質をつくりだしているような幻が浮かんでくるようである。
ウンベルト・エーコの『フーコーの振り子』が読みかけになっていた。なぜかどうしても途中で躓くのである。今年こそ…!

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