散日拾遺

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二十四節気 大寒

2024-01-22 23:02:25 | 日記
2024年1月20日(土)
 
 大寒 旧暦十二月中気(新暦1月20日頃)
 江戸時代の暦では、大寒の時期を「冷ゆることの至りて甚だしきときなればなり」と説明し、寒気が極まる様子がわかります。
 寒気で引き締まっているため、「寒の内」の水は腐らないとされていました。そこで昔から味噌や醤油、酒造りなどに利用されてきたようです。これが「寒仕込み」と言われるものです。
(『和の暦手帖』P.100‐101)
 
 確かに今日は寒い日で、最高気温8℃止まりだった。しかしこの寒さが本物の「大寒」ではないことは、最低気温が5℃だったことからも容易に分かる。氷点下前後まで下がることなく、日較差は3℃しかない。夕方から氷雨が降り、明朝にかけてかなりの雨量になるはずで、明日は最高気温13℃の予報である。要は荒天のあおりで一時的に最高気温が抑えられただけで、腰の据わった冬の寒さではないのだろう。
 天気予報で「冬将軍」の言葉を聞かなくなり、「西高東低の冬型の気圧配置」という懐かしい常套句もまた同じ。ベランダの亀は動きはこそ少ないが、昼間は水から首を出したり、時には這い出して歩き回ったり、およそ冬眠という風情ではない。被災地の人びとがしのぎやすいのは歓迎だが、そのことを除けば寒くない冬を喜ぶ理由はさらにない。

七十二候
 大寒初候 欵冬華 (ふきのはなさく)      新暦1月20日~24日
 大寒次候 水沢腹堅(さわみずこおりつめる)   新暦1月25日~29日
 大寒末候 鶏始乳 (にわとりはじめてとやにつく)新暦1月30日~2月3日

 フキ(蕗、苳、款冬、菜蕗、Petasites japonicus)はキク科の植物で、学名から知られる通り日本原産という。昨夏に函館から大沼を訪れた時、宿の周りで見かけるフキの葉の大きなことに驚いた。わが家の庭に生えるものの径にして二、三倍はあり、これならコロボックルも宿せたことだろうと自得した。しかし、足寄町の螺湾(らわん)地区に自生するラワンブキはそんな可愛らしいものではなく、高さ2~3mにも及ぶのだという。その下に集う者は、小人族ならぬ巨人族であったかもしれない。
 もっともこれは、上流の河川水に含まれる豊富な栄養分によって例外的に巨大化したものだそうだから、やはりコロボックルの面々はあずかり知らなかったことである。



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