散日拾遺

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1月6日 アルフレート・ヴェーゲナ-

2024-01-06 08:02:09 | 日記
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1月6日 ヴェーゲナーが「大陸移動説」を発表する

> 1912年、ドイツの気象・地球物理学者アルフレート・ヴェーゲナーが「大陸移動説」を発表した。ヴェーゲナーは南アメリカ大陸の東海岸線とアフリカ大陸 の西海岸線の相似に気づき、「大陸は移動する」と考えるようになった。「大陸移動説」は、発表当初、地質学者たちの強い反発を受けた。しかしヴェーゲナー は、1915年にはさらに自説を発展させ、「巨大大陸パンゲアが分裂して現在の形になった」という説を公表した。だが、この説も科学的根拠に乏しいとして、当時はまったく支持を得られなかった。

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 アルフレート・ロータル・ヴェーゲナー(Alfred Lothar Wegener、1880- 1930)、この名は知らなくとも大陸移動説は誰でも知っている。はじめてこの説を知ったのが、いつどうしてだったか記憶にないが、新鮮な驚きは思い出せるような気がする。
 パズル遊びをする子どもであれば、むしろ自然に思いつくことかもしれない。もっとも、日本人の見慣れた世界地図では太平洋が中央に来るから、ヴェーゲナーのアイデアは生まれにくい。大西洋を中央にする地図を朝夕見慣れた欧米の子らの多くは、この絵合わせを一度ならず夢想したのではないだろうか。子どもの頃トイレの壁に張られた世界地図を見て、ユーラシア大陸が左から、北米が右から、それぞれやってきて鼻面を突き合わせる二頭の猛獣のように見えた。
 インクブロット遊びは誰でもするが、それを心理検査に仕上げたのはヘルマン・ロールシャッハ一人である。何百万人が同じ絵合わせを見てきた中で、ただヴェーゲナーだけが本気でそれをとりあげた。いわゆるコロンブスの卵である。
 ヴェーゲナーの岳父は、気候区分で有名な気象学者ウラジミール・ペーター・ケッペンである。1924年には『地質時代の気候』という論文を共著で発表したという。ケッペンの娘とヴェーゲナーがどんな風に知り合い結婚に至ったか、そうしたことを誰か伝記にでも書いていないだろうか。
 1930年、ヴェーゲナーは気候研究のためグリーンランドを探検中に遭難し、不帰の客となった。夫人の嘆きのさぞ深かったことだろう。高齢の岳父ケッペン(1846-1940)はどのような言葉で娘を慰めたのだろうか。

   
https://ja.wikipedia.org/wiki/アルフレート・ヴェーゲナ-

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