伴侶や子や孫と暮らしていても、誰にでも一人(独り)の時はあるだろう。又、現代のように多くの「おひとり様」が増えてくると、当然「個食」や「孤食」が増えてくる。しかし、独り寂しく食べる「孤食」も、好きなものを好きなだけ、誰にも気兼ねせず自由気ままに食べられるのだから、決して悪いとは言えない。
大事なことは、買って来たスーパーのパックのままとか、面倒臭いからお茶漬けで済まそう、などと思わないこと。きっちんと料理して、きちんと食べることが大事なのだ。
この句の季語「名残雪」が、晩年を象徴しているようで切ないが、「独り」や「一人」でなく「ひとり」としたところに、作者の気骨を感じる。
紅梅