緑、新緑、万緑、緑陰などの季語「みどり」は、初夏の若葉の緑をいう。一方、草青む、青葉、青嵐なども「みどり」である。青海苔、青梅、青菜、青物、青大将、青蛙、青リンゴ、青竹、青畳、青信号など、同じ「みどり」でも、用例は「青」の方がはるかに多い。
さてこの句、新緑の「みどり」の中を、大井川鉄道のような蒸気機関車に乗っているらしい。文法的には、「みどり」がSLの汽笛を聞いてはしゃいでいることになっている。
読者は、魔法にかけられたように、はしゃぐはずのない「みどり」が、子供のようにはしゃいでいる、と感じてしまうのだ。