青空と少しの元気賀状書く 稱子
着脹れて歩幅の更に小さきかな
昔日や寒行太鼓遠ざかる 豊春
スマホ見つおでんほおばる女学生
時雨駅右も左も人の波 沙会
空続く明洞の街十二月
腹巻きの犬も主も着ぶくれて 洋子
濃い口の醤油にかぎる鰤大根
白鳥を紅に染め夕日落つ 海人
旅立てる友の多さや冬木立
柚子十個の香をしみじみと抱えけり 佳津
牡蠣鍋の二人前なる独り鍋
山畑の緑オレンジ師走来る 鞠
グラタンの熱くて冬至南瓜かな
着膨れて小石啄む土鳩かな 薪
介護猫サンタ姿でご出勤
厚着せしサンタバイクがピザ配る 美部
色々なスクーター走る師走かな
着膨れた千二百兆円どう脱がす 炎火
冬便り4k8k走査線
四海波穏やか願う年の暮 歩智
この小豆皮かたすぎはレンズ豆
スーパーへ素ッピン楽ちんマスク掛け さくら
曇天に遠き匂ひの雪催ひ
いらつくは軍手に絡む落ち葉かな 余白
着ぶくれの公園掃除ビニ袋
あれこれと焦って悔やんで年の暮 貴美
十二月あと三日ほど欲しいわね
枯葉降る掃き清めたる庭に降る 雲水
腰痛の日にち薬や着膨れて
ロウバイ(蝋梅)