金風や弥勒菩薩のお顔立ち コトリ
色の無き能登に吹く風声も出ず 〃
雲の峰万次郎越す編隊機 豊狂
コスモスや鎮守の森の道案内 〃
群青の海すべりゆく望の月 凛
灯さずにいましばらくは月の友 〃
寿ぎや儀式の接吻天高し 心
秋の雲行くあてあるか問われけり 〃
青柿もゆるり色づく秋分かな 流水
湯河原をやや遠ざけて秋夜かな 〃
夏過ぎて待ちわびし風ほほ流 信天翁
川波の白きを岩へ秋はじめ 〃
稲光まだまだ序章かも知れず 紅
店頭の眼鏡洗い機秋日影 〃
燕去る辿り着けよと声欠ける 淡白
思うように摘んで役満秋の空 〃
朝涼や目覚めて五体確かむる 釣舟
バカの壁また読み返す夜長かな 〃