6時起床。あまり食欲がなかったので私は朝食をパスし、トリニダーのCASAから持ってきたクッキー的なパンと、バーでもらってきたレモネードで済ませる。食欲がない時でも、このクッキーの懐かしい甘さなら受け入れられる。
身支度を整え、お土産にコーヒーや葉巻を購入して、宿をチェックアウト。お迎えを待つ間、バーでクラッシュアイスのレモネードを飲む。キューバでお気に入りの飲み物である。
濱田さんとアリエルさんに迎えに来て頂き、ハバナへ。途中、バグナヤグア橋という地上112mに架けられた橋に立ち寄る。ユムリ渓谷という谷に架けられた橋で、近くの展望台から眺めるとその高さに足が震えるほどだ。また、周囲の景色も雄大で、天気が良かったので遠くの山々まで見渡すことが出来た。
展望台の売店で、ココナッツジュース(パイナップル入り)を飲む。冷たくて美味しい。また、周囲のお土産売り場が面白くて、ついつい色々と買い漁りそうになった。結局、またチェ・ゲバラのTシャツをもう1着購入した。
ハバナへ戻り、サン・ホセ民芸品市場に立ち寄る。巨大なお土産売り場で活気があって、歩いているだけで楽しい。特に、大きくてとても綺麗な絵がたくさん売られていたのが印象的だった。良い輸送手段があれば、1枚くらい買いたかったのだが。
市場の裏は海に面している。
市場の入口には、なぜか汽車が。
今日の、そしてキューバ最後の宿泊先、「アンドス・ムンドス」(Ambos Mundos)に到着。ヘミングウェイが常宿としていたことで有名なホテルである。ロビーには、ヘミングウェイの写真が数多く飾られている。そして、アリエルさんとはここでお別れ。明るくて優しくて、熱心に説明をしてくださる、本当に素晴らしいガイドさんだった。本当に、ありがとうございました。
かなり古い型のエレベーターがあって、ちょっと感動。しかし、残念ながら今はもう動かしていない。
チェックインの時間まで、ロビーのバーでしばらく休憩。せっかくなのでキューバっぽく、ノンアルコールのモヒートを飲む。雰囲気は出るが、やはりノンアルコールだと単純にミントとソーダの味だ。
案内された部屋は、道路に面しておらず、狭かった。清潔感もいまいち。ヘミングウェイが泊まっていたということで最後の宿泊先にしたのだが、純粋にホテルのレベルとして考えると、あまり良いホテルとはいえない。
少し休憩してから、再び外出。葉巻愛好家に人気だという「カサ・デル・アバーノ」で、葉巻を物色する。妻がお土産に葉巻を買いたいとのことだったのだが、シガーバーも兼ねている店内には葉巻の煙が充満しており、私でもかなりきつかった。というわけで、最低限の葉巻を買って、早々に退散。雰囲気は映画に出てくるような感じで良かったのだが、さすがにあの煙の空間に長時間いるのは難しい。
2日目にエクレアを購入したオビスポ通りのパン屋さんで昼食を購入し、ホテルの部屋で食べる。キューバではハムとチーズのサンドイッチが定番らしく、このお店のそれはパンがパイ生地のような食感で、とても美味しかった。
ホテルの中でヘミングウェイが実際に宿泊していた部屋が展示室になっているので、見に行ってみる。彼が実際に使っていたというタイプライターや直筆の原稿、釣竿や当時の写真が飾られていて、いかに彼がキューバを愛し、馴染んでいたかをうかがうことができる。ただ1点気になったのは、部屋がやけに広いこと。私たちが泊まっている部屋との差が大きい。やっぱり、彼はVIP待遇だったのか。
ホテルの屋上に上がってみる。レストランになっていて、周囲の景色が素晴らしい。遠くのモロ要塞まで見渡すことが出来る。上から眺めると、ハバナ旧市街がまた少し違った雰囲気に感じられる。
2時間ほどお昼寝(というか夕寝)をしてから、夕飯を食べに出掛ける。夜のハバナ旧市街は雰囲気がとても良くて、治安にも全く問題はない。(もちろん最低限の警戒心は前提として)暗い道を歩いていても特に危険な感じはないし、飲食店の客引きなどはあるが、全くしつこくさがなく、断るとすぐに引き下がって、「そっか、じゃあ次は是非来てね。良い旅を!」と爽やかな対応をしてくれる。日本の繁華街の客引きも見習ってほしい神対応である。総じて、キューバは私がこれまで訪れたいくつかの国の中で、最も治安に不安を感じない国だった。
ヘミングウェイが通っていたというレストラン「ラ・ボデギータ・デル・メディオ」(La Bodeguita del Medio)に行ってみたのだが、座席は空いていたものの、店員さんが忙しそうで全体的にも落ち着かない雰囲気だったので、別のお店へ行くことにする。
カテドラル広場にあるレストラン「エル・パティオ」(El Patio)で、広場を眺めながら夕食。涼しい夜風を浴びていると、心地よい。注文したのは、ロブスターとラム。妻と私の手持ちの現金を合計し、残っているお金をほぼ全額使い果たす。ロブスターもラムも、期待以上に美味しくて、キューバ最後の食事にこのお店を選んだのは正解だった。また、食事をしていると野良猫や野良犬がやってくるのだが、私がついついおねだりされるがままに食べ物をあげてしまうので、最後のほうは彼らに囲まれて食事をする形になった。
私はレモネード、妻はモヒートを飲む。キューバでは、「リモーネ」と注文すると普通の缶のレモンジュース、「リモーネ・ナショナル」と注文すると、クラッシュアイスで作られた本当のレモネードが出てくる。もちろん、おすすめは後者。
ここのパンはレベルが高かった。柔らかいものも、細くてパリパリしたものも美味しい。
ロブスター。小さい海老や白身魚、野菜もたくさん添えられていて、大満足。
トリニダーのお店でもそうだったが、ラムの味付けが絶妙だ。
みんな、行儀よくおねだり。偉い。
ホテルへ戻ると、周りにたくさんの若者がたむろしていた。そうだ、このホテルはWifiスポットになっているんだった。この光景も、いつまで見られるだろうか。
ホテルの屋上から、夜景を眺める。キューバ最後の夜である。