6時起床。7時過ぎに家を出る。今日は、静岡へサッカーの試合を観に行くのだ。東京駅08:00発の東名ハイウェイバス、スーパーライナー3号(名古屋行き)に乗る。通常、エスパルスのホームゲームは清水にあるアウトソーシングスタジアム日本平で行われるのだが、今日の浦和レッズ戦は多数の来場が見込まれるため、例外的に掛川のエコパスタジアムで行われる。そのため、私の乗るバスもいつもの静岡駅行きではなく、名古屋行きとなる。静岡駅行きに比べると乗客が多かったが、隣に人が来ることはなかったので良かった。しかし、今日は3連休の初日ということで東名高速が混雑しており、予定より1時間ほど時間が掛かった。
東名掛川停留所でバスを降り、タクシーに乗ってエコパスタジアムへ。私が埼玉から来たという話を聞いて、運転手さんは私がレッズファンだと思い込んでいたらしく、社内で小野選手のユニホームに着替えた私の姿を見て驚いていた。そこから話が弾み、Jリーグ開幕当初の話から先週のダービーの話、エコパスタジアムのピッチ状況など、様々な話をした。エコパスタジアムには12時半過ぎに到着。
スタジアムに入る前に、先日亡くなった真田雅則GKコーチへの献花台の前で手を合わせる。彼がエスパルスの守護神として現役で活躍をしていた頃、私はまだアントラーズのファンだったので、彼の活躍は苦々しいものだった。しかし、彼はそういうチームの枠を超えて、日本を代表するゴールキーパーの1人だったし、そんな彼が今年からエスパルスのGKコーチを務めると聞いた時は、本当に嬉しかった。あまりに早すぎる死に言葉も出ないが、彼の存在はエスパルスを始め日本中のサッカーファンの心に残り続けるだろう。ご冥福をお祈り致します。なお、不謹慎かもしれないが、献花台の写真を撮らせていただいた。彼がいかにたくさんの人たちから愛されていたのかということが、この写真から少しでも伝われば幸いである。
スタジアムに入り、まずは昼食。何だかんだで、今日初めての食事である。食べたのは、何の変哲もない焼きそばとフランクフルト。確か、昨年末の天皇杯の時も同じものを食べた気がする。まだ精神的に幼いので、こういう場所ではこういうジャンクフードが食べたくなるのだ。
14:04試合開始。事前情報の通り、ピッチの芝の状態が非常に悪く、両チーム共になかなかボールが足につかない。そんな中でもエスパルスは優位に試合を進め、何度か決定的なチャンスを迎えるものの決めきることが出来ず、0-0で前半が終了する。しかし、後半に入って63分、辻尾選手が右サイドを突破で崩し、折り返したボールを大前選手が冷静に押し込んでエスパルスが先制する。その瞬間、一気にスタジアムが沸騰する。私たちの席でも、自然と全員がスタンディングオベーション。その後、次々と攻撃的な選手を入れてきた浦和に押される展開となるが、最後まで守りきって1-0で勝利。小野・高原という柱がいない中でのこの勝利には、単なる1勝以上の大きな価値がある。
得点に絡んだ辻尾・大前コンビはもちろん、ヨンアピン選手の高い守備力や強烈なミドルシュート、岩下選手の気迫溢れる守備も印象に残った。そして、特に素晴らしかったのが、高原選手の代わりに3トップの真ん中に入った鍋田選手と、2列目(後に左SW)に入ったユングベリ選手である。鍋田選手はまだまだ若いプレイヤーだが、ポストプレーや裏への抜け出しも上手だし、前線からのプレスも激しく、攻守両面でチームに貢献していた。これまで高原選手の次がいなかったセンタフォワードのポジションに、ついに期待の新星が現れた。また、ユングベリ選手については、これまで何となくスピードアタッカーのイメージがあったのだが、実際にはそれだけでなく、ボールキープ力も素晴らしいし、何より決定的なパスの質が非常に高い。ちょっと乱暴な例え方をさせてもらうと、足の速い小野伸二という感じである。また、気持ちを全面に出すタイプの選手なので、チームを鼓舞する意味でも貴重な存在である。やはり、全盛期のアーセナルを率いたというのはダテじゃない。
大前選手のヒーローインタビュー。
お疲れ様でした。
試合終了後、恒例の勝ちロコから王者の旗の流れを満喫する。個人的には、あのユングベリが勝ちロコに参加しているというのが夢のような感じがした。
シャトルバスに乗って掛川駅へ戻り、そこから歩いて東名掛川停留所へ向かう。掛川駅には一応新幹線が止まるわけだが、はっきり言って駅周辺に何もない。岐阜羽島駅と同様に、おそらく政治的な圧力で仕方なく作ったのだろう。そのため、駅から停留所までの約10分の道程には、1軒コンビニがあった以外、閑静な住宅街と自然の景色だけが広がっていた。
帰りは、東名掛川17:53発の東名ライナー56号に乗る。しかし、そもそも出発の時点で30分近い遅れが出ていた。バスが遅れることは間々あることだが、途中のバス停から乗るというのが初めての体験だったので、ただ黙っていつ来るかわからないバスを待つということがいかに大変かということを痛感させられた。また、関東に住んでいる私は、東名ハイウェイバスは東京から東海地方へ、もしくは東海地方から東京へ移動するための交通機関だと思っていたのだが、実際には「名古屋から静岡」や「浜松から御殿場」といった東海地方内での移動手段としての機能が強いということに気付いた。今日のバスでは、東名掛川を出発する時点で乗っていた乗客の半数以上が御殿場までの間に降りてしまい、終点の東京駅まで乗ったのは3分の1にも満たなかった。もちろん、バスの種別(超特急、特急、急行etc...)や時間帯によっても顧客層は異なるのだろうが。
また、東名ハイウェイバスの運行会社にはJRバス関東、JR東海バス、JRバステック(JRバス関東の子会社)の3種類があって、今回初めてJRバステック運行のバスに乗ったのだが、車両のシートの高級感や座席間の広さなどが通常のものより一段上だし(「楽座シート」と呼ばれており、他の会社の車両でも導入されている)、乗務員さんの接客も非常に素晴らしかった。
東京駅には定刻より約30分遅い22時過ぎに到着し、帰宅は23時前。その後、友人とファミレス&銭湯へ出掛け、久しぶりにゆっくりと話をする。友人は現在大学院で心理学を勉強しているのだが、話を聞く限りは本来の勉強以外の部分でいろいろと面倒なことがあるようだ。心理学者なのに人の話を全く聞かない先生がいるという、外部の人間からすれば笑える話もある。そういう意味では、大学院も企業も同じようなものだ。
帰宅は3時過ぎ。何だかんだで、寝るころには空が明るくなり始めていた。