社会を見て、聞いて、感じる。

人生そのものがフィールドワーク。

9月9日(金)

2011年09月10日 10時05分05秒 | 2011年

  6時起床。さっそく、朝風呂へ。朝は、露天風呂が特に良い。朝の爽やかな空気を感じながら温泉に入るなんて、こんなに良い1日の始まりはなかなかない。

  朝食では、昨夜コロッケになっていた温泉粥が出てきた。ほのかに硫黄の香りがして、美味しい。また、出来立ての豆腐や野沢菜のお漬物も印象的だった。

  8時半にチェックアウトし、上高地へ向かう。こちらもマイカー規制が行われているため、手前の沢渡に車を止めて、タクシーに乗る。昨日に引き続いて運転手さんに恵まれ、観光案内だけでなく、私たちの希望や所要時間を考慮して最適な散策ルートを考えてくださった。おかげで当初の計画より倍近い距離を散策し、たくさんの景色を目にすることが出来た。

  上高地バスターミナルでタクシーを降り、さっそく散策開始。まずは河童橋を通って、上流の明神池を目指して歩く。距離は4キロで、所要時間は1時間半ちょっと。たまに小雨のぱらつく天気だったが、梓川の流れや穂高連峰、数々の渓流に湿地と見所が満載で、自然の美しさをこれでもかというほど満喫した。空気はおいしいし、景色は素晴らしいし、最高に癒される空間だった。


河童橋から本格的に散策がスタートする。

  明神池は穂高神社の奥宮にあり、一之池と二之池に分かれている。一之池は広大で、二之池は岩や木が所々に顔を出している。また、池周辺には猿がたくさん生息していた。しかも、それほど人間を警戒しておらず、足元を平気で歩いていく。野生の猿をこれほど間近で見られる機会はなかなかないだろう。


一之池


二の池

  明神橋を渡り、梓川の反対岸を歩いて河童橋まで引き返す。帰りは平坦な道が続くので歩くのは楽だが、その分景色はそれほどでもない。


明神橋がちょうど折り返し地点。

  河童橋へ戻り、「河童食堂」で昼食。窓際の席からは、河童橋が目の前に見える。私は、「岩魚わっぱ飯」を注文。西京味噌で漬けた岩魚を蒸したもので、薄味で柔らかい。

  午後からは、大正池を目指して再び散策。距離は約3キロ。今度は川の流れに沿って下っていくので、水の流れも穏やかになってくる。所々で川岸に下りられるところもあって、近くで見ると水が本当に透き通っている。「水が綺麗」という言葉はいろいろなところでよく聞くが、本当の綺麗はこういうレベルなんだなということを実感させられた。

  一旦コースを少し外れ、上高地帝国ホテルのロビーラウンジ「グリンデルワルト」で休憩。ケーキセットで、私は「スイスタルト」を注文(飲み物は白桃ジュース)。大きなチェリーの入ったチョコレートケーキで、良い意味で甘さが少なく、さっぱりしていておいしい。値段が1,500円と高く、「どうせ場所代だろう」とバカにしていたのだが、そんなことはなかった。確かに場所代もおおいに含まれているが(実際雰囲気は非常に良い)、ケーキにも手抜きはない。

  再び散策を開始。合計約12キロに及ぶ今日の散策も、もう終盤。梓川沿いを歩き、まずは田代池へ立ち寄る。「静寂」の言葉が似合う池で、波ひとつ立っていない。しかも、水が本当に澄んでいるので、どこまで水が張っているのかわからないぐらいである。

 


静寂の田代池

  大正池の手前に中千丈沢があり、そこから流れ出た砂れきが辺りを広く覆ってる場所がある。足元が悪く歩くのは大変だが、開けているので景色が良いし、風も心地良い。

  ついに、大正池に到着。大正4年に焼岳の噴火で梓川が堰き止められて出来たことから名付けられたこの池は、当初は今の4倍近い広さがあったらしい。しかし、その後年々周囲から土砂が流れ込み、段々と面積が狭くなっている。いずれは消滅する可能性が高いそうだ。当然ながら周りの景観もどんどん変化しているらしく、次来る時には今とは異なる姿を見せてくれるだろう。これにて、上高地の観光は終了。大袈裟に言うつもりはないが、本当に天国のような場所だった。

  行きに乗ったタクシーの運転手Sさんに連絡し、迎えに来てもらう。帰りの車内では、風景写真が趣味だというSさんの撮った上高地の写真を見せてもらったり(プロ並みに上手い)、上高地に関するトリビアを教えてもらう。おかげで、最後まで楽しい時間を過ごすことが出来た。ありがとうございました。

  車に乗り、松本駅へ戻ってくる。先に出発する祖母の乗る電車を見送ってから、18:35発の特急スーパーあずさ32号に乗り、新宿へ。接続の列車が途中で動物とぶつかったとかで出発が10分ほど遅れたため、新宿到着は約15分遅れの21時半前。そのため、帰宅は22時過ぎとなった。あっという間の2日間だったが、乗鞍に始まり、白骨温泉、上高地と、本当に素晴らしい場所ばかりで、とても思い出に残る旅行となった。

 

  もはや恒例となっているが、最後に電車の写真を載せる。全て松本駅で撮った写真である。説明は省略する。

 


9月8日(木)

2011年09月10日 08時40分11秒 | 2011年

  6時起床。今日から、1泊2日で乗鞍・上高地旅行である。7時前に母と一緒に家を出て、新宿へ。外出先から直接来る弟と合流し、08:00発の特急スーパーあずさ5号に乗って松本を目指す。所要時間は約2時間半。話をしたり、観光ブックを読みながらあれこれと見る場所を考えているうちに到着する。電車から降りた瞬間、空気の冷たさに驚く。市街地でこれだけ涼しいとは。しかし、気温を見ると案外東京と変わらない。おそらく、湿気が圧倒的に少ないために涼しく感じるのだろう。

  松本駅で大阪からやって来た祖母と合流し、駅前でレンタカーを借りて出発。最初の目的地である乗鞍高原までは約1時間。標高が高くなっていくに連れて、どんどん空気も冷たくなっていく。

  乗鞍高原に入り、まずはカフェレストラン「ふきのとう」で昼食。私は、信州ではよく食べられているという馬肉のステーキ(さくらステーキ定食)を食べた。これが、あっさりしていてとても美味しい。周りを焼いているだけなので、感覚的には馬刺しに近い。一度しっかり火を通したものも食べてみたい。また、祖母と母が注文したチーズフォンデュも、3種類を混ぜ合わせたというチーズが絶品だった。つけるものがパンだけというのが少し残念だが、これは一度食べてみて損はない。


お店の前では、人懐っこいワンちゃんが送り迎えをしてくれる。

  乗鞍観光センターに車を止め、シャトルバス乗り場へ。乗鞍の山頂エリアはマイカー規制が実施されているため、そのまま行くことは出来ないのだ。シャトルバス乗り場へ着いたところでタクシーの運転手さんたちから声を掛けられ、往復11,000でタクシーに乗らないかと提案される。シャトルバスの往復料金は(1名2,400円で)9,600円だから、なかなか魅力的な提案である。次のシャトルバスまでは30分も時間があったし、せっかくなのでお願いすることにする。そして、これが大正解だった。運転手のTさんが非常に親切な方で、観光案内はしてもらえるし、途中の景色の良いポイントで止まって散策もさせてくれる。シャトルバスではこうはいかない。しかも、Tさん曰く今日はここ1ヶ月で一番の快晴とのこと。天気ばかりは運なので、これは本当にラッキーだった。

  畳平(山頂)へ到着し、まずはメインのお花畑を周回する。やはり、かなり寒い。パーカーを着ていても寒い。しかし、この時期は夏のたくさん花が咲いている時期と秋の紅葉とのちょうど間なので、花はほとんど咲いていない。そのため、観光客もまばらで、ゆっくりと散策することが出来た。しかも、周りの景色は本当に絶景なので、岩に腰掛けて辺りを見回すと、最高に爽快な気分になった。

  その後、10分ほど掛けて魔王岳へ登る。ここからの景色が、これまた素晴らしい。多くの人がここまでは登ってこないが、せっかく畳平まで行ったら絶対に足を延ばしたほうが良い。また、たまたまお会いした長野県在住だというハイカーさん曰く、これだけ景色がはっきり見えるのは年に数日しかないらしい。「本当に幸運ですよ」とのこと。これだけ運が良いと、あとが少し恐い。

  再びタクシーに乗り、観光センターの駐車場まで戻って来る。シャトルバスなら1時間しか取れなかった観光時間も、タクシーのおかげで1時間半以上も取ることが出来た。いろいろと案内もして頂けたし、本当に良かったと思う。Tさん、ありがとうございました。

  車に乗り、今日の宿泊先である白骨温泉の「新宅旅館」へ。部屋に案内されたあと、さっそく温泉に入る。白骨温泉は、静かな山間にあるまさに秘湯である。泉質は弱酸性の硫黄泉で、乳白色に輝くお湯は見た目も美しい。浴室に入った瞬間の硫黄の匂いに期待を膨らませながら、露天風呂へ向かう。露天風呂はお湯だけでなく景色を楽しむところだが、景色なんてどうでもいいと思わせるくらいお湯が良い。かなり良い温泉だという話は聞いていたが、これほどとは思っていなかった。源泉掛け流しなので飲むこともでき、胃や腸に良いらしい。内湯へ移動し、再びゆっくりと浸かってから部屋に戻る。自分の体から温泉の香りがして、最高の良い気分だ。

  夕食は、地元の素材を使った和会席料理。山菜をふんだんに使った前菜に始まり、黒毛和牛の朴葉味噌焼きや岩魚の塩焼き、松茸の土瓶蒸し、お蕎麦や煮物など予想以上に豪華なメニューだった。その中で印象的だったのは、八ヶ岳産ロメインレタスのお刺身と、温泉で焚いたお粥を揚げたコロッケ。特に、温泉粥コロッケは絶品だった。これを冷凍食品とかで販売してくれたら、送料を払ってでも定期的に購入したい。


ロメインレタスの”お刺身”


温泉粥コロッケ

  部屋へ戻ると、夜食用に野沢菜のおにぎりが置かれていた。食事を終えてお腹はいっぱいだったが、ついついすぐに食べてしまう。しかも、美味しい。

  再び温泉へ。夕食前の時もそうだが、あまりにお湯が良いのでついつい長湯をしてしまう。それでも不思議とのぼせることはなかった。就寝は23時過ぎ。