7時半起床。
歯磨き、朝顔の水やり、洗濯物の取り込み、朝食(豆乳ヨーグルトとソイプロテイン)。ここまではいつものルーティーンである。
一気に読む時間を取れる時にと取っておいた『成瀬は天下を取りにいく』(宮島未奈)を鞄に入れ、10時過ぎに家を出る。
東急線(新横浜線・東横線)に乗る。車内で紙の本を広げるのはいつ以来だろう。
新宿三丁目で丸の内線に乗り換え、新中野で下りる。
丸の内線とは思えないコンパクトな改札を出る。
鍋横商店街を歩く。
お目当てのラーメン屋「麺屋 どうげんぼうず」に到着。「どうげんぼうず」とは下関の方言で「悪ガキ」という意味だそうだ。
イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区での虐殺が始まってから一貫して抗議活動をされているお店で、前から一度来てみたいと思っていた。
店先はもちろん、店内も至る所に「FREE GAZA」「FREE PALESTINE」の文字が溢れている。
看板メニューの肉辛そばに味玉をトッピングする。辛さは普通・ちい辛・ぶち辛・シバキの4段階の中からちい辛を選んだ。スープを一口飲んで、その美味しさに目を開く。辛さはそれほど感じず、コクのある旨みがガツンとくる。挽肉やおくらが入っているのも印象的で、チャーシューも脂がのっていてスープとよく合う。麺はこれまであまり食べたことのない食感のちぢれ麵で、しっかりスープが絡んで美味しかった。
帰りがけにガザへの募金をして、ステッカーとフリーペーパーを頂く。イスラエル大使館に突撃抗議をされたりする方なのでちょっと怖いのかもと思っていたが、とても優しい店主さんだった。よく考えたらそりゃそうだ。人の心があるからこれほど真剣に抗議活動を続けられているのだ。次は塩そばも食べに来ます。
商店街の並びに見つけた「珈琲や」で食後のコーヒータイムにする。
常に全種類があるわけではないが、豆の種類がハンパない。
今回はボディー系の中からコロンビア産のクレオパトラという豆を選び、アイスコーヒーで頂く。コクが強いタイプだと書かれていたが、すっきりしていて飲みやすい。
一緒に注文したレモンケーキも美味しかった。見た目のとおり結構甘めだが、レモンの酸味もしっかりある。
帰りはバスに乗ってみよう。
最後部に座る。座席位置が高いので景色がよく見える。
中野と新宿は思っていたよりも近かった。
小田急百貨店の本館が完全になくなっている。空が広い。
湘南新宿ラインに乗る。なぜか異様に空いている。みなさんもう都内にはいないのだろうか。
横浜で下車。事前に松阪市のHPで松阪牛が買えるお店を調べ、相鉄ジョイナスの地下にあるお肉屋さんで買えるとのことだったが、今日は置いていなかった。昨日思い立った松阪牛ステーキ旅行が頓挫した分、お肉を買って家で焼こうと思ったのだが、なかなかうまくいかないものである。
せっかく横浜まで来たので「有隣堂」へ寄っていく。8割方読み進んだ『成瀬は天下を取りにいく』が抜群に面白いので続編の『成瀬は信じた道をいく』を手に取り、新横浜店に在庫がなくて買えていなかった『弱い円の正体』(唐鎌大輔)と一緒に購入。
新横浜へ戻り、プリンスペペのお肉屋さんで大分県産黒毛和牛のステーキ肉を購入してから帰宅する。松阪牛は無理でも、ステーキは諦めない。
『成瀬は天下を取りにいく』を読み終える。他の多くの読者と同様、私も成瀬の魅力にどっぷりハマり、島崎とゼゼカラへの思い入れもどんどん高まって、最後は涙を拭いつつ温かい気持ちで本を閉じた。平凡な日常生活(と私たちが思っているもの)の中に実は面白いことがたくさんあり、私たちは自分で思っているよりも自由なのではないか。そんなことを考えさせられた。
YouTubeの料理動画を参考に、ステーキの製造に取り掛かる。
まずは、お肉を常温に戻している間に付け合わせとステーキソースを作る。料理研究家のリュウジさんが紹介されていた玉ねぎベースのソースである。
筋切りや味付けを済ませ、お肉をフライパンに投入。中火で片面を1分半、裏返して1分。
一旦取り出し、アルミホイルでくるんで中まで火を通す。その間にフライパンに残った肉汁を足してひと煮立ちさせ、最後にバターを溶かしてソースを完成させる。
もう一度お肉の表面を軽く焼き、ソースをかけてサーロインステーキが完成。
期待以上に美味しかった。良いお肉を使ったということもあるが、我ながら焼き方もばっちり、ソースも絶品だ。あまりに美味しいので、半分は明日帰って来る妻と娘に取っておくことにしたほどだ。リュウジさんを始め動画で教えて下さった方々、本当にありがとうございました。
入浴と洗濯を済ませてから、お肉と一緒にプリンスペペで買ってきたピオーネを食べる。見切り品で安くなっていたのだが、これぞ完熟というベストタイミングの味だった。
明日まで我慢しようと思ったのだが、しきれずに『成瀬は信じた道をいく』を読み始める。続編の成瀬もやはりファンキーである。そして、序盤は島崎の魅力も全開だ。
全5編の内の2編を読み、更に先へ進みたい欲求を何とか跳ね除けて、日付が変わる頃に就寝。これで楽しみを明日へ残せた。