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8月24日(土) 夏祭り。

2024年08月26日 18時07分22秒 | 2024年

 7時起床。

 朝顔の水やりをしてから朝食。いつもの豆乳ヨーグルトとソイプロテインに加えて、鳥仲商店の湘南こっこ唐揚げも温めて娘と一緒に食べる。

 妻が娘を連れて小児科へ出掛けている間に、1階の部屋の掃除をする。

 今日は娘の花粉症対策として舌下免疫療法を始める予定だったのだが、薬のスターター(服用開始時の容量が少ないもの)の在庫がないとのことで延期になった。舌下免疫療法は3~5年という長期間に渡るもので、11月くらいまでに飲み始めれば来春の花粉対策にも有効らしいのだが、その薬(シダキュア)は昨年末くらいから出荷調整が続いているらしい。

 掃除を終え、トーストを焼いて休憩。鳥仲商店の食パンが美味しい。柔らかくてほんのり甘みがある。

 昼食は素麺と冷しゃぶ。

 午後は野球観戦。日本ハムvs.ソフトバンクの3連戦の中日で、昨日は5点リードを逆転されて負けてしまったのだが、今日はその鬱憤を晴らす快勝だった。ソフトバンク投手陣から6点を取った打線も素晴らしかったし、何より先発の北山投手が圧巻で画面越しでもボールが唸りをあげているのが伝わってきた。骨折明け2戦目でこのパフォーマンスなのだから、これからシーズン終盤の活躍が楽しみである。

 夕方、妻と娘がママ友さん親子と近所の神社の夏祭りに出掛けた。娘は自分のお小遣い(お年玉を貯めているもの)に加えて妻と私からそれぞれ追加の軍資金を手にしていたのだが、射的で景品が全く倒れないことに怒り、くじ引きも散々外れて大泣きし、最後は見かねたくじ引き屋のお兄さんが「たくさんやってくれたから」とお目当ての鉄砲をプレゼントしてくださったらしい。ありがとうございました。

 射的が当たっても倒れなかったことを怒る娘を見ていて、自分が子どもの頃の地域のお祭りを思い出した。私の実家がある西川口は当時「埼玉の歌舞伎町」と呼ばれるほどの有名な歓楽街で、駅周辺には性風俗店がひしめき合っていた。その背後には当然ながら暴力団があったわけだが、当時の彼らは地域との調和と住み分けを徹底していた。例えば、駅近くの裏路地でヤクザ同士が喧嘩をしている(ビール瓶で殴り合ったりしていた)のをたまに見かけたが、子どもの私が通るとお互い手を止め、「怖いもの見せてごめんね」と静かに立ち去るような秩序があった。彼らがカタギに手を出すことはなく、少なくとも私や家族、友人が怖い目にあったという記憶はないし、話を聞いたこともない。唯一ヒヤッとしたのは、青果店を経営している友人のお父さんのところでアルバイトをしていた大学時代、裏カジノ(のキッチン)への配達直後に摘発が入った(警察官の集団とエレベーターホールですれ違った)ことくらいである。

 お祭りの話に戻ろう。私の実家は西川口駅から徒歩10分ほどのところにあるが、駅周辺の町内会のお祭りではかき氷や綿あめ、金魚すくいなどが全て無料だった。先ほど娘が倒れないと怒っていた射的も無料で、大きな景品も弾が当たれば普通に倒れたし、何なら当たらなくても子ども全員に何かしらプレゼントがもらえた。駅から離れた町内会のお祭りでは(それでもかなり良心的な露店ばかりだったが)無料ではなかったので、嬉しいながらも子供心になんでだろうと不思議に思っていた記憶がある。高校生になって他の地域のお祭りに行った時、露店の値段の高さや食べ物の不味さ、射的の景品の倒れなさ、そもそもはずれたら何ももらえないことに衝撃を受け、それに対する友人たちの反応から自分の地元が特殊なのだということを知った。

 外部から見れば「うまく丸め込まれていた」ということになるのだろう。しかし、当時の多くの住民からすると「共生している」という感覚だったと思う。私自身が暴力団に対してそこまでネガティブな印象を持っていないのも、西川口という場所で幼少期を過ごした影響が多分にあるだろう。しかし、当時を冷静に振り返ってみれば、駅前のラブホテルで殺人事件があったり、風俗店で覚せい剤のオーバードーズがあったり、流血事件も日常茶飯事の街だった。安全な街だったわけではなく、あくまで住み分けがなされていたということである。

 ちなみに、違法風俗の摘発強化が始まった2000年代中盤以降、大半の風俗店が違法(本番ありのいわゆる「NK流」)だった西川口の街は一変した。私が食材を配達していた違法カジノが摘発されたものもこの頃(2007年)である。摘発直後は当時の岡村幸四郎市長の肝いりで「B級グルメの街」としての再開発が目指されたりもしたが当然うまくいくはずもなく、今は「西川口チャイナタウン」と呼ばれるような中国人街になっている。私はそれ自体は悪いことだと思わないが、急速な街の変容に伴ってトラブルは多発しており、その混乱に乗じて中途半端な悪人(不良)が増え、一般市民が巻き込まれる事件も起きている。かつてはヤクザの存在によって特殊な形であれ機能していた「秩序」は崩壊してしまった。今の西川口の置かれている状況は、「違法風俗摘発」という綺麗事に胡坐をかいてその後の街づくりを考えていなかった行政の失態だと思う。

 最後に、最近ネットを中心にヘイトスピーチが渦巻いている川口市在住のクルド人について、彼らの居住区域は私の実家からは離れているが、近くに住んでいる友人たちの話を聞く限り所謂「クルド人問題」はデマである。もちろん文化の違いから発生するトラブルはあるが、それはクルド人に限ったものではないし、少なくともネット上で拡散されている犯罪行為は発生していないそうだ。クルド人排斥のデモなども行われているが、その参加者は地元の人間ではないらしい。息子が小学校でクルド人の友達と仲良しだという友人によると「川口のクルド人問題という表現は間違いで、本当は人種差別をする日本人の問題だよ」とのことである。

 

 入浴を済ませてから夕食。娘は鉄砲のおかげでご機嫌である。くじ引き屋のお兄さん、本当にありがとうございました。

 洗濯を済ませ、娘を寝かしつける。

 日付が変わる頃に就寝。