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【地図】東京都千代田区神田須田町1-13
※上記のリンク先の地図で同所に「牛めしの松屋」が登録されているのはワザとですか?
2007年5月7日 午後2時頃訪問
5月のゴールデンウイーク前半は上海、中盤は友人の結婚式と二日酔い、そして後半は家族サービスでお出かけしてきました。
前半に仕事をしていた関係で、GW明けの7日までお休みを貰っていたので、本日は羽を伸ばして昼間っから呑んじゃいますよ!!
ここは神田の須田町。
神田と言えばご存知広沢虎造の浪曲「清水次郎長外伝 石松船三道中」のなかで、江戸っ子が神田の生まれを自慢するところが印象的ですね。
えっ!良く知らない・・・ええ・・ちょっと来て下さい。
(次郎長は森の石松の親分で、東海道一のばくち打ちであり・・・小一時間経過)
神田の須田町、淡路町界隈はその昔「連雀町」と呼ばれていたそうですな。
かの文豪池波正太郎の随筆「散歩のとき何か食べたくなって」の中には、この「連雀町」の話が出てきます。
その本の中で紹介されているのが、今回紹介するまつや。
同氏は本の中で「まつやで出すものは何でもうまい。それでいて、蕎麦屋の本道を踏み外していない。」と高い評価をしています。
実はその話を読んでから、このまつやに行きたくてしょうがなかったのですが、なかなか実現できずにいました。
本日は、その夢がついにな買う日がやってきました。
良く一緒に仕事をするN氏が「今度まつやで呑みましょう」という魅力的な一言!
蕎麦だけ手繰りに行ったって期待抜群なまつやでしかも酒メインで行くとなれば二つ返事ですよ!
「行きます!是非行かせてください!!」
ということでまつやにやってきました。
本日はGW明けの平日、昼も下がった午後2時。
さしものまつやも客もまばらで・・・なんて思ったのですが、空席が少々あるものの結構な客入り。危うく並んで待たされるところでした。
席に着いたらまずはビール・・・ではなくここは江戸は神田の連雀町。
お酒といっておきましょうか。
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酒は吟醸だなんだとかうるさいこと言わず、お店任せの一合徳利。
「常温」なんて風情のない言葉でなく「ひやで」と行きたいものですが、最近は「ひや」というと冷酒を指す言葉になってしまったのは寂しい限りです。
突き出しに出てくる蕎麦味噌。
これを舐めながらお酒を舐めるようにクイッとやります。
この蕎麦味噌と焼き海苔なんかで二~三合徳利を空けたところを蕎麦で締めるのが江戸っ子の粋かもしれませんが、そこは凡夫の悲しい性、肴を頼みまくりであります。
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まず頼んだ親子煮はつまるところ親子丼のご飯抜きですな。
蕎麦屋の定番で鴨煮や鶏煮なんてのがありますが、この親子煮は一口大に切った鶏肉をたっぷりの玉子でしっかり閉じた江戸の味ですな。
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そしてそばがき!
ほそーくなって蕎麦になって出てくると「締め」ですが、そばがきは酒のあてにしたいですね。
たっぷりの蕎麦湯に浸って出てくるそばがきは木の葉のような形に整えられて出てきます。
これを暖かいそばつゆで葱、わさび、大根おろしの薬味でいただきます。
おっ!このわさび、さすがちゃんと本わさびを下ろしたヤツですね。
風味が違います。
このわさびだけ舐めてても酒を呑めそうです。
写真に残ってませんが、この後板わさも頼んでかまぼこよりもわさびの方を楽しんでおりました。
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そして締めはもりそば。
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玉子をつなぎにして打つ蕎麦というのは珍しい気がしますが、「潔い食感」というのは変な表現でしょうか?
でも実際そんな感じの中華麺の様なプッツリした食感の蕎麦です。
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江戸っ子向けの濃い目のつけ汁ですが、決して塩辛くなく、甘すぎるわけでもなく、鰹の出汁が効いた絶妙の仕上がりです。
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最後は蕎麦湯で締め、最近はそば粉をわざわざ溶かして濃い蕎麦湯を出してくれるところもありますが、まつやは伝統的な蕎麦を茹でたお湯を出してきます。
酒のあと蕎麦で締めて、あがりに蕎麦湯をいただくのはささやかではありますが最高の贅沢ですな。
ごちそうさまでした。
私信:N氏誘ってくれてありがとうございました。
また呑みに行きましょう!
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