【地図】千葉県松戸市本町3-13
2007年3月18日 午後7時頃訪問
今月の
dancyuはお寿司が大特集でありました。
dancyuのことですから非常に美味しそうな写真と記事が並んでおりまして、一緒に見た同僚F氏が「今日は寿司ですね~」とのこと。
私も「負けるか!」という気持ちで家に帰るも、嫁、ハンバーグの準備をして待っていました。
いや、ハンバーグに文句があるわけではないのですが・・・いやいや美味しいハンバーグでしたよ。
というわけで夕飯時に「お寿司食べたいんですけど・・・」と切り出すと、「あっ誕生日?」と嫁。
あっ!・・・今日(17日)は嫁の誕生日だった・・・「そっ・そう・・結婚記念日でもあるし・・・(アセアセ)」
というわけで意外にあっさりと、しかし久しぶりに翌日は寿司を食べに行くことと相成りました。
そうすれば早速店選びです。
うちのすぐ向かいにわりと美味しい回転寿司のお店があるのですが、今回はなんとしても回らない寿司を!!
都内に住んでいたころは数店舗の行きつけがあったのですが、千葉に越してきてからはプラッと寿司を食いにいくなんていう所業は家計を苦しめる悪と見なされ、そういったお店も開拓できておりません。
というわけでインターネットで、回転しない、チェーン店じゃない、それなりに歴史のある、子連れ(1歳6ヶ月)なので個室予約。という厳しい条件。
しかしあるところにはあるもので、こちらの明治10年創業という
「せきやど冶平鮨」を見つけました。
電話で予約したのですが、女将さんの対応も快くて期待も膨らみます。
お店について予約の座敷に案内されます。
壁や襖を面白半分にブッタタク息子をナダメながら先ずはビールで嫁の誕生日で乾杯。
「○○歳おめでとうございます」と年齢を言うと白い目線を送る嫁。
先ず突き出しに出てきたのは、自慢の海苔佃煮。
ちょっとしょっぱめに煮た海苔佃煮はちょびっと舐めては酒をグイっと、嫁は「ご飯がほしい」といっておりました。
続いてなまこ酢、最近柔らかすぎたり、甘すぎたりなかなか納得の行くなまこ酢に出会えなかったのですが、大降りのなまこを砂糖を抑え気味の三杯酢で仕上げた一品。櫛切りにした柚子の風味も泣かせます。
ちなみにこちらは息子用に頼んだいくらの軍艦と玉子の握り。
板さん気を利かせて半分に切って出してくれました。
うれしい心遣いです。
大好物のいくらを頬張る息子
息子の玉子焼きが美味そうだったので大人軍も追加で頼んじゃいました。
自分のところで卵焼きを焼く寿司屋さんが珍しくなった昨今、こちらのお店の卵焼きは自家製です。
そば屋の出汁巻きに近いような、濃い目だしが、玉子の中に層になって隠れており、見た目よりもかなりジューシー。
日本酒が進みますよ。
続いてやってきたのはこの季節しか食べられない一品。稚鮎の天ぷらです。
さくっとした衣に塩とレモンを振ってガブッと行くと、鮎のほっくりとした身と、ピリッとした腸の苦味が交差します。
しかし、個人的にはやっぱり天つゆでいただきたかったなあ。
さてさて本命のお鮨の登場。本日は思い切って特上を頼んでおります!
ずらっと並んだ寿司は手前から、中とろ二貫、縞鯵、鯛、平目、赤貝、赤身、玉子焼き、いくら軍艦、海栗軍艦、とろ細巻き、焼穴子の全十二貫。
「白身が好きなので」と伝えたので白身で三品も揃えてもらいました。
ちょっと光物が無いのが寂しいですが・・・。
ではまず赤貝から。
いや~うまいです、握りの堅さ加減が絶妙ですね。
しっかりしているように見えて、口の中でぱらりと散らばるシャリは安い回転寿司では絶対出会えません。
こちらのお店にして良かった。
最後に残る中とろと縞鯵。
ちょっと悩んで中とろから、しかし縞鯵は美味いですなあ。
敬愛する漫画家、酒のほそ道のラズウェル細木氏は縞鯵の旨味があまりに多いことから隠語で「アジノモト」と呼んでいるらしい。
その話の中で、美味いが、その美味さのあまりに、食べどころの難しい鮨ネタであると書いております。
なんとなく理解できます。
さて、特上寿司を食べ終え増したが、久しぶりに寿司を入れた胃袋がこれで満足するわけも無く、お好みでいくつか追加です!
先ずはあいなめ、そして鯖、鉄火巻き。
あいなめは根魚らしいシャキっとした歯切れの良さと適度な脂の乗り具合、いつも置いているものではないと思います。
続いて鯖。小肌を食べたかったのですが、遅い時間の来店だったので残念ながらねた切れ、仕方なく頼んだはずの鯖は、最小限度の塩と酢で〆られており、ほとんど生の味わい。
しかし、この鯖、光物というよりは白身はかんぱちや鰤のような味わい。
そして鉄火巻き。地味ですが、それだけに寿司屋の力量が問われるものと思われます。
この鉄火巻きを丁寧に作ってくれない寿司屋がどれだけ多いことか・・・。
もちろんこちらの冶平鮨さんはそんなことは無く、大き目の鉄心でシャリもしっかり詰まっている美味しい鉄火でありました。
さて酉を勤めたのは、赤身のづけ。
注文を受けてから着けたらしく漬かりがやはり浅いですね。
これが好きな人もいると思いますが、個人的にはもっと醤油漬けになっていた方がすきかな。
最後にお酒がずいぶん残ってしまったので、槍烏賊の煮付けと注文。
小さめですが、しっかりと子が詰まった烏賊を濃い目に煮付けてあります。
最後は熱めのお茶を貰ってずず~~っ!
寿司の〆にはやはりお茶ですな。
活きのいい生のねたはもちろん美味しかったのですが、残念だった小肌を始め、海老や煮蛤、昆布締め等のひと手間加えたいわゆる「仕事もの」をもう少し頼みたかったかな。
煮付けや玉子焼きが美味しかっただけにそういった「仕事もの」への期待が高まります。
今度はカウンターで気の利いた板さんと食べてみたいお店ですね。
ごちそうさまでした。
■鮨士道
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