アメリカでの最初の13年間を暮らしたアイオワ州のある街に
80年代の初め、中国人が経営する中華レストランがオープンした。
私がアメリカで食べた最初の中華料理がその店の料理だった。
学生時代、日本でウエイトレスのバイトをしていた事や
このレストランでアジア人が働いていた事もあって
「これなら私にも出来る」
そう思った私は
その日 お会計を済ませる時に人を雇っているか訊き
1歳の長女を数時間、義母に預けることにして、その店で働き始めた。
そのレストランでは中国人のオーナーがメキシコ人に料理を教え
作っていたのはメキシコ人だったけれど
教えた中国人の腕がいいのか どれも美味しい料理だった。
ウエイトレスの収入は良く、
子育て中は子供とのスケジュールとも合って
都合が良かった事が10年続けた大きな理由だった。
アメリカ風にアレンジされた中華料理の一つに
スイートアンドサワーポーク ( Sweet and Sour Pork ) と言う料理がある。
甘くて酸っぱいポークとあるのは アメリカ版 酢豚
揚げた豚肉に気持ちばかりの野菜とパイナップルに
ケチャップ、砂糖、酢で作った真っ赤なスイートサワーソースをかけて出来上がり。
私が食べたことのあるレストランはどこもそんな酢豚だった。
甘ったるいその酢豚の味にも慣れたけど
オーダーしてまで食べたいとは今も思わないなぁ。
仕事が休みの月曜日、
解凍された豚肉が冷蔵庫にあったので酢豚を作ることにした。
醤油と酢、酒他で味付けした酢豚はケチャップなし
白いご飯をそのまま食べないバッキーは
おかずをいつもご飯の上に盛り付ける。
ぽちっとね