関東では既に桜は散ってしまったようだが、関西では今が見頃なんである。フツーは逆なんだけどね(笑)
そんな桜の季節になると思い出してしまう人たちがいる。コージー・パウエルもその一人だ。確か、10年前の4月、バイク事故の為天に召されてしまった。それ以来、この時期になると、コージー・パウエルを偲んでの集会が、あちこちで行なわれているはずだ。ジョン・レノンやフレディ・マーキュリーほどではないと思うけど。
前にも書いたけど、コージー・パウエルは大変人気のあるドラマーである。キース・ムーン、ジェフ・ポーカロと並んで、“ドラマーではない人にも人気ある3大ドラマー”と言われている(誰が言ったのだ?)。
かつて、ロックバンドに於ける花形はボーカリストかギタリストであり、決してドラマーではなかった。自分で楽器を弾きバンドもやってる人ならともかく、そうでないロックファンの大半は、レコードを聴く時でもドラムなんて気にした事はないはずだ。つーか、ドラムなんて誰が叩いても同じ、という認識の人がほとんどだったろう。確かに、キース・ムーンやジョン・ボーナムのように、(素人にも分かるような)個性的かつ独創的なプレイをする人もいた。この2人は確かに人気あったけど、キース・ムーンあたりは、その奇行ぶりが話題になっていたのは否めないと思うし、ジョン・ボーナムにしてもツェッペリンにいなかったら、ここまで人気だったかどうか。ロジャー・テイラーが人気だった時期もあるが、これはプレイ云々よりアイドル的な人気であった。ま、それ以外のドラマーは、多くのロックファンからはその他大勢として扱われていたのである。「ラウンドアバウト」をビル・ブラッフォードが叩こうがアラン・ホワイトが叩こうが、違いも分からんし、別にどうでもいい事だったのだ。
かように、ドラマーは一般的には日陰の存在であり、イケメンであるとか歌が上手いとか、ドラム以外の付加価値がないとスターにはなれなかった。それが覆したのがコージー・パウエルと言っていい。僕がコージー・パウエルのプレイを初めて聴いたのは、レインボーに加入してからで、それ以前はジェフ・ベックのバンドにいたらしい、という程度の知識しかなかった。通なファンは、レインボーにコージー・パウエルが入る、というので大騒ぎしてたみたいだけど(笑) ま、そのレインボーの『虹を翔ける覇者』が実に素晴らしい出来であり、レインボーがパープルを凌駕する人気を得ていったのに伴い、コージー人気もうなぎ上りとなった。レインボー時代の「ア・ライト・イン・ザ・ブラック」や「キル・ザ・キング」でのドラムプレイは、ツーバスを効果的に使った奏法を確立し、後のHM系ドラマーたちに大きな影響を与えた、という話は随分経ってから聞いたんだけど(笑) その後、レインボーを脱退したコージーは、MSG、ホワイトスネイク、ブラック・サバスといった人気バンドを渡り歩き、「コージーが来る!」というだけで巷の話題になるほどの高い人気を誇ったのである。
そのキャリアから、コージー・パウエルはどうしてもヘビメタのドラマー、という印象が強いようだが、案外と器用で柔軟性もある、というのはソロ・アルバムが証明している。特に、最初のソロとなった『オーバー・ザ・トップ』、これは傑作でしょう。ハードロックというより、ベックに近いロック・インスト・アルバムだが、ツーバスドコドコだけでない、多彩なプレイを聴く事が出来る。僕もこのアルバムを聴いて、コージーを見直した口だ(えらそーに)。
このアルバムにも収録されている、ドラムソロを伴ったタイトル曲は、彼のステージのハイライトでもあった。有名な「1812年」にのせてドラムソロを披露する訳だが、これが分かりやすくて、またカッコよかった。これがあるから、コージーは人気だったのかもしれない。人それぞれ意見はあると思うが、ドラムソロを楽しむ人なんてほとんどいなかった訳だから(ツェッペリンのライブ盤が好きでも、「モビー・ディック」は飛ばしてた、という人が8割はいるはずだ)、“見せるドラムソロ”を開発したコージーの功績は大きい。
と、やたら前置きが長くなってしまったが(爆)、お馴染み京都北山BBAでも、コージー・パウエル・トリビュート・セッションがささやかに行なわれ、僕も参加してきた。コージー・パウエルを偲び、コージー所縁の曲を演奏して盛り上がろう、というものだ。コージーを師と仰ぐドラマーが大勢集まるかと思われたが、意外と少なかったのがちと残念(笑)だったけど、セッションそのものは久々に和気藹々としたものとなった。
恒例のセットリストです。
Ready To Rock(Michael Schenker Group)
Lighs Out(Michael Schenker Group)
Slow An' Easy(Whitesnake)
Kill The King(Rainbow)
Long Live Rock 'N' Roll(Rainbow)
Starstruck(Rainbow)
All Night Long(Rainbow)
Eyes Of The World(Rainbow)
Goin' Down(Jeff Beck Group)
Giulty Of Love(Whitesnake)
Slide It In(Whitesnake)
Touch And Go(Emerson, Lake & Poewll)
Since You Been Gone(Rainbow)
Crying In The Rain(Whitesnake)
Assault Attack(Michael Shenker Group)
この曲は違うんじゃないか、とかいう細かい事はあまり気にしないようにしましょうね(爆)
この所、BBAでのセッションは、参加者も曲数も多く、進行に非常に気を遣うことが多くなっていたのだが、今回は人も曲も少なめで、その分のんびりとセッションを楽しめたと思う。実際、最近では珍しいことに、セッション本編が終了しても時間が余ったので、急遽その場でリクエストを募り、おまけセッションも行なわれた。こちらの方が盛り上がったかも(笑) で、おまけセッションで演奏されたのは、
More(アースシェイカー)
We Will Rock You~We Are The Champions(Queen)
Rock And Roll(Led Zeppelin)
Brown Sugar(Rolling Stones)
Highway Star(Deep Purple)
何でもアリ状態(爆) ま、しかし、事前に曲を決めて、タイムスケジュールもきっちり管理してのセッションとは、また違った楽しさがあった。その場で予定にない曲でも、やれるもんならやってしまおう、というノリを久々に味わった気もする。昔のBBAセッションは、いつもこうだったなぁ、なんて思ってしまった(笑) 原点回帰という事でよかったかも(何が?)
そんな訳で、またしても楽しい一夜でした。で、いよいよ来週は、WWRU3.5 in 京都、である。今までやったこともない曲もやってみるので、非常に楽しみ。諸事情で参加できない方は、是非レポをお楽しみに(爆)
恒例の記念写真です。huemuraさんから頂きました。ありがとうございます。
皆さん、お疲れさまでした。そして、BBAマスターありがとうございました。