オーク(oak)を英和辞典で調べると「樫(カシ)」と訳されていることが多い。あのロビン・フッド物語でも、ロビン・フッドやその仲間が集まるのが大きなオークの木の下ということになっているが、これも和訳本ではたいてい「樫の木の下」とされている。ところが「オーク材の家具あるいは建材」として日本に輸入されているモノの材質は、多くは樫からはほど遠いものであり、これらも含めほとんど全てを「オーク=樫」としてしまったのは、明治期にいくつかなされてしまった誤訳のひとつである。
長年日本側でそれに気づかなかったのは文学者と一般人だけのようで、木材を扱う仕事に就く人達は、海外から輸入されたオーク材の多くと日本の樫がまったく別物であるということを、昔からはっきりと認識していたらしい。最初に「変だ」と気づくのはどんな分野でも現場にいる人である。木を製材しその断面を見て触っている人々は、当然ながらそれらがまったく別種の木であることに気づく。家具や建材に使われるオークは日本の木の中では楢(ナラ)に近いと言われる。確かに私の素人目にも製材された後の木目や葉の形は似て見える。
オークが水に強い木であることはヨーロッパでは昔から知られていて、住宅や船に多用されて来た。性質的には重く、硬く、乾燥すると大きく反ることがある。築後数百年を経た英国のハーフ・ティンバーの家が大きく歪んでいるのは、多くはそのせいである。
オークを含め、英国の古き生活と木材との関わりを楽しく解説した本が川崎寿彦著「森のイングランド」(平凡社)である。廃版になったが、確か平凡社ライブラリーで復活しているはずだ。私が今まで読んだ中でも最も読み応えのあった本の一つである。
私はこのオークが大好きだ。オークを家具あるいは建材として使用した時の木目がとにかく美しい。七里ガ浜の我が家も玄関ドアとフローリング部分だけはオークである(出来ることならもっと使いたいが・・)。画像は我が家のフローリング材。幅は12cmあり、厚みが2cmを少し切るくらい(3/4インチ)である。非常にしっかりしている。少しアンティークっぽく見せることを狙った商品で、黒い塗装を一旦行ってからそれを磨き落としてオークの木目を浮かび上がらせるという凝ったことをしている。しかしこれでも、もう少し薄い国産のナラ材のフローリングなどより安価である。
八ヶ岳の山荘、その近くの私の両親の家、そしてこの鎌倉七里ガ浜の自宅と3軒の家を建ててくれたブレイスの丸山さんが、このフローリングを自宅用に見つけてきてくれた。3軒目の建築ともなると、すでに丸山さんは私の好みをよくご存知であった。打ち合わせの段階で「これならお気に召すはず」と言いながら取り寄せた見本を私に見せてくれ、私は即OKした。
長年日本側でそれに気づかなかったのは文学者と一般人だけのようで、木材を扱う仕事に就く人達は、海外から輸入されたオーク材の多くと日本の樫がまったく別物であるということを、昔からはっきりと認識していたらしい。最初に「変だ」と気づくのはどんな分野でも現場にいる人である。木を製材しその断面を見て触っている人々は、当然ながらそれらがまったく別種の木であることに気づく。家具や建材に使われるオークは日本の木の中では楢(ナラ)に近いと言われる。確かに私の素人目にも製材された後の木目や葉の形は似て見える。
オークが水に強い木であることはヨーロッパでは昔から知られていて、住宅や船に多用されて来た。性質的には重く、硬く、乾燥すると大きく反ることがある。築後数百年を経た英国のハーフ・ティンバーの家が大きく歪んでいるのは、多くはそのせいである。
オークを含め、英国の古き生活と木材との関わりを楽しく解説した本が川崎寿彦著「森のイングランド」(平凡社)である。廃版になったが、確か平凡社ライブラリーで復活しているはずだ。私が今まで読んだ中でも最も読み応えのあった本の一つである。
私はこのオークが大好きだ。オークを家具あるいは建材として使用した時の木目がとにかく美しい。七里ガ浜の我が家も玄関ドアとフローリング部分だけはオークである(出来ることならもっと使いたいが・・)。画像は我が家のフローリング材。幅は12cmあり、厚みが2cmを少し切るくらい(3/4インチ)である。非常にしっかりしている。少しアンティークっぽく見せることを狙った商品で、黒い塗装を一旦行ってからそれを磨き落としてオークの木目を浮かび上がらせるという凝ったことをしている。しかしこれでも、もう少し薄い国産のナラ材のフローリングなどより安価である。
八ヶ岳の山荘、その近くの私の両親の家、そしてこの鎌倉七里ガ浜の自宅と3軒の家を建ててくれたブレイスの丸山さんが、このフローリングを自宅用に見つけてきてくれた。3軒目の建築ともなると、すでに丸山さんは私の好みをよくご存知であった。打ち合わせの段階で「これならお気に召すはず」と言いながら取り寄せた見本を私に見せてくれ、私は即OKした。