ブレイスが建ててくれる家に決まったスタイルはない。「ブレイス」と名前をつけているくらいだから、前回お伝えしたティンバー・フレーム構法専門かと言うと、そうではない。そもそもティンバー・フレーム構法は法的には在来の木造軸組構法と変わらない。ポスト&ビームも同様であり、結局皆同じようなものなのである。違うのは日本では少数派の建築に属する鉄骨の住宅、鉄筋コンクリート住宅、横倒しの木材を積み上げるだけのログ・ハウス、あるいはツーバイフォーくらいであろうか。しかしちなみにログハウスや、ツーバイフォーもブレイスは建てることが出来る。つまり木造建築ならほぼ何でもOKだ。

そもそもいろいろな建築家、工務店があって良いはずだ。少数の大ハウス・メーカーがかなりのマーケット・シェアを握り、それらが家をどんどん建替え同じような概観の家を国中に造っているという状態は珍しく、世界を見渡してもこうした国はまずない。全国で見かけるようなモデルハウスを見て基本デザインを選ぶとか、決まったいくつかのプランから選ぶというのは、日本でも40~50年前にはなかったことと想像する。
ブレイス代表の丸山さんは様々な概観、内装の木造の家を建てている。先日丸山さんにお会いした時、彼が私に言った。「ウチのホームページhttp://www.brace.jp/ にある施工例の写真を見た人は、ウチのことを『何とポリシーのない集団だ』と思うだろうなぁ・・」 しかしながら私は、丸山さんほど顧客のリクエストに真摯に応えている建築家も少ないと、逆に感心するのである。建築という分野に「これしかダメ!」と主張する大メーカーや気位の高い建築家がいても構わない。そのスタイルを偶然好きになった施主が彼らに施工を依頼すれば良いことだ。私の場合、それは必要ないことと思っている。
上の画像の建物は何か。これがブレイスの事務所である。小淵沢のはずれ、畑と林が広がる風景の中に建つ、元はスナックだった建物。今でこそ無くなったが、昔はスナック時代のメニューの黒板が屋内の壁に残っていた。「あたりめ300円・冷奴250円・・・」などと書いてあったのだ。建築業を営む集団の事務所にしては、建築の美的イメージやデザイン性で注目を集める、という感じではない外観である。
後日解説する予定だが、ブレイスは顧客にとってのコストの抑制を心がける集団だ。それは、ブレイスがこの建物をそのまま事務所として使用しているところにもよく表れている。施主の頭の中は、これから建てる予定の建物に期待する美的イメージや空想でいっぱいだ。もしあなたが施主で、自分の将来の建物に抱く美しいイメージや空想から、この事務所の外観の記憶を意図的に遠ざけ遮断することが出来るだけの合理性を持つ人ならば、あなたはブレイスの「コスト抑制」精神の結果としてのこの事務所外観を好感することであろう。そしてバリバリ自分の夢実現に突き進むことが出来よう。でもあなたがその強い精神力を持たない場合は、ちょっと「これはキツイなぁ」と感じるかもかも・・・。
参考:
ブレイスのホームページにある、代表の丸山さんのコラム「引かないで」http://www.brace.jp/knge.html
私の記憶では、このコラムは6~7年前に掲げられたものである。丸山さんのキ・モ・チがにじみ出ている。

そもそもいろいろな建築家、工務店があって良いはずだ。少数の大ハウス・メーカーがかなりのマーケット・シェアを握り、それらが家をどんどん建替え同じような概観の家を国中に造っているという状態は珍しく、世界を見渡してもこうした国はまずない。全国で見かけるようなモデルハウスを見て基本デザインを選ぶとか、決まったいくつかのプランから選ぶというのは、日本でも40~50年前にはなかったことと想像する。
ブレイス代表の丸山さんは様々な概観、内装の木造の家を建てている。先日丸山さんにお会いした時、彼が私に言った。「ウチのホームページhttp://www.brace.jp/ にある施工例の写真を見た人は、ウチのことを『何とポリシーのない集団だ』と思うだろうなぁ・・」 しかしながら私は、丸山さんほど顧客のリクエストに真摯に応えている建築家も少ないと、逆に感心するのである。建築という分野に「これしかダメ!」と主張する大メーカーや気位の高い建築家がいても構わない。そのスタイルを偶然好きになった施主が彼らに施工を依頼すれば良いことだ。私の場合、それは必要ないことと思っている。
上の画像の建物は何か。これがブレイスの事務所である。小淵沢のはずれ、畑と林が広がる風景の中に建つ、元はスナックだった建物。今でこそ無くなったが、昔はスナック時代のメニューの黒板が屋内の壁に残っていた。「あたりめ300円・冷奴250円・・・」などと書いてあったのだ。建築業を営む集団の事務所にしては、建築の美的イメージやデザイン性で注目を集める、という感じではない外観である。
後日解説する予定だが、ブレイスは顧客にとってのコストの抑制を心がける集団だ。それは、ブレイスがこの建物をそのまま事務所として使用しているところにもよく表れている。施主の頭の中は、これから建てる予定の建物に期待する美的イメージや空想でいっぱいだ。もしあなたが施主で、自分の将来の建物に抱く美しいイメージや空想から、この事務所の外観の記憶を意図的に遠ざけ遮断することが出来るだけの合理性を持つ人ならば、あなたはブレイスの「コスト抑制」精神の結果としてのこの事務所外観を好感することであろう。そしてバリバリ自分の夢実現に突き進むことが出来よう。でもあなたがその強い精神力を持たない場合は、ちょっと「これはキツイなぁ」と感じるかもかも・・・。
参考:
ブレイスのホームページにある、代表の丸山さんのコラム「引かないで」http://www.brace.jp/knge.html
私の記憶では、このコラムは6~7年前に掲げられたものである。丸山さんのキ・モ・チがにじみ出ている。