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3月12日 於:サントリーホール
アーティスト
デンマーク国立交響楽団
指揮:ファビオ・ルイージ
ピアノ:横山幸雄
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プログラム
ニールセン:オペラ『仮面舞踏会』序曲
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 Op.73 「皇帝」
チャイコフスキー:交響曲第5番 ホ短調 Op.64
アンコール
ショパン:エチュード Op.10-12 「革命」
ゲーゼ:タンゴ・ジェラシー
ファビオ・ルイージが日本に来るのを知らなくて、気が付くのが遅かったのですが
生協を使って申し込むという裏ワザでチケットを手に入れて行きました。
私のNo.1指揮者です。
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父が亡くなった時も知らせを受けたその日にブラームスのコンサートでした。
つい最近亡くなった友人とも松本までサイトウキネンフェスティバルで彼が小澤の代わりに振ると
いうので一緒にオペラ「ファルスタッフ」を聴きに行きました。
10年前にファビオ・ルイージのコンサートに初めて行きましたが、のそのタクトから生みだす
リヒャルト・シュトラウスの音楽の素晴らしさに圧倒されました。
日本に来るときはできる限り聴きたいアーティストの一人です。3.11の後もキャンセルが多くでたなか、
ジェイムス・レヴァインの代役でメトを振り、ガラコンサートに行ったことがありました。
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今回もすべて素晴らしい出来でした。
デンマーク交響楽団を引き連れて、その個性を生かしつつも彼の音楽を作り上げて行っている
感じでした。
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それほど大きくない彼ですが、体全体でオーケストラを引っ張っていきます。
ニールセンの序曲もデンマークの曲を取り上げて、洗練された曲を作り上げています。
ベートーヴェンもメリハリがすごく効いていて、限りなくやさしさに溢れていました。ピアニストの
横山幸雄は有名な人ですが、私は生を初めて聴きました。「皇帝」を楽々弾いているように見えました。
音もタッチもやわらかかったです。音を固まりでとらえている人のように見えました。
最後のチャイコフスキーの5番がとにかくすごかったです。ダイナミックであり、洗練されていて
2楽章では涙があふれました。ラフマニノフのシンフォニー2番も好きですが。
チャイコフスキーを聴くとなぜか中学から高校にかけて親の転勤について行かずひとり東京に残って祖母の
家から通った時代のことを思い出してしまうのです。冬休み九州に行って、外は雪が深々と降る中、
家で聴いたチャイコフスキーの「悲愴」が忘れられません。何か今は亡くなってしまった育ってきた家族の
運命とか感じずにはいれません。
この5番も雪の降る冬を通り越した大地に春が来るような命の喜びにあふれる最終楽章での盛り上がりが
エネルギッシュですごかったです。ファビオ・ルイージはみごとに現代の曲に生き返らせています。
鳴り止まない拍手とこんなにたくさんのブラボーを聞いたのは初めてです。とても感動的なコンサートで
私の予感が的中しました。今まで聴いた中で最高のチャイコフスキーのシンフォニー第5番です。
アンコール曲もコンサート・マスターが得意で出番の多い曲を選んであげたような感じがする
やさしいルイージです。
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コンサートの余韻を胸に帰路につきました。誰もが何か心の中が満ち足りたコンサートではなかった
でしょうか。