『日刊ゲンダイ』の連載コラム「テレビとはナンだ!」。
今週選んだのは、テレビ東京の『ザ・逆流リサーチャーズ』だ。
テレビという映像メディアならではの“技”を生かしつつ、家族で見られる、プチ知的な(笑)エンターテインメント番組に仕立て上げている。
スタジオの出演者のギャラを含めても、そこそこリーズナブルな予算だし、余所にはできない、余所がやらない一本だと思うのだ。
コラム見出し:
「逆流リサーチャーズ」は隙間狙いのテレ東らしい良作
本文:
“逆転の発想”ならぬ“逆流の発想”である。
テレビ東京「ザ・逆流リサーチャーズ」は、身近にある様々なモノを、その“始まり”まで遡っていく、いわばリサーチ・バラエティーだ。
たとえばペットボトルがどうやって作られるか、ご存知だろうか。
元になるのは「プリフォーム」と呼ばれる試験管のような小さな筒。これは加熱して空気を吹き込むと膨張する。
ペットボトルの形をした金型の内側にプリフォームを装着し、一気に膨らませるのだ。
ちなみに、なぜペットボトルというのか。
材料が「ポリ・エチレン・テレフタレート」というポリエステルの一種で、その頭文字からPETボトルと名付けられたのだ。
ふーん、知らなかった。
まるで“オトナの社会科見学”である。
また「逆流映像クイズ」のコーナーでは、最初に現在の姿・形を見せておいて、次に「これは何?」と問いかける。
ある時はモノをミキサーにかけて粉々にし、またある時は鍋の中で煮込む。画面には鍋のアップ。
VTRが逆回転(逆流)し、徐々に「元の姿」が見えてくる間に答えを探すのだ。
色や溶け具合から想像するのだが、これが意外と“頭の体操”になる。
スタジオには関根勤やおぎやはぎ、優木まおみなどがいて、適度な賑やかさ。
「隙間狙いのオリジナル企画」というテレビ東京らしい1本だ。
(日刊ゲンダイ 2010.02.02付)