米紙「ニューヨーク・タイムズ」の記事の見出しに、いわく。
「Toyota Has Pattern of Slow Response on Safety Issues 」。
豊田章夫社長の「おわび会見」も、かの国での非難を抑えることに、あまり貢献しているように見えない。
大丈夫かね、トヨタ。
さらに、トヨタの新型「プリウス」が、アメリカだけでなく、国内でもリコールとなるようだ。
「読売新聞」によれば・・・
見出し:
新型「プリウス」リコール、信頼回復は未知数
記事本文:
トヨタ自動車がハイブリッド車(HV)の新型「プリウス」の国内でのリコール(回収・無償修理)を決め、事実上、不具合を「欠陥」と見なすことを受け入れる形になった。
決着を急ぐことで看板車種プリウスのイメージ悪化を防ぐ狙いと見られるが、不具合問題への対応の遅れには国内外で批判が高まっており、短期間での方針転換が信頼回復に直結するかは未知数だ。
自動車メーカーは、安全性に影響する設計や製造段階での欠陥が車に見つかればリコールを国土交通省に届け出て、無償修理を行っている。欠陥はないが品質改善が必要な時は「サービスキャンペーン」(自主改修)として実施している。
今回の不具合の対策はABSのプログラムを変更する簡単な作業で済むが、修理方法は同じでも、リコールと自主改修では不具合を「欠陥」と認めるかどうかの大きな差があり、トヨタは当初、自主改修で対応する方向で検討していた。
しかし、運転手が「ブレーキが利かない」と不安を感じることがあるのは事実で、2月に入り物損事故の情報も寄せられた。対応の遅さに批判も強まる中、トヨタは苦渋の決断に追い詰められた格好だ。
国土交通省でも「絶対に事故が起きない保証がないと、自主改修で済ませられない」との見方が強まっていた。
(読売新聞 2010.02.07)
・・・これって、かなり大変なことだと思う。
トヨタの商売にとって、というだけでなく、今の自動車業界全体が、プリウスをはじめとする“エコカー”“ハイブリッドカー”ブームにけん引されているからだ。
その代名詞ともいえるプリウスに、まさに“ブレーキ”がかかったのである。
私が新型プリウスに試乗したのは、昨年の5月。
「“新型プリウス”に試乗した」と題して、印象をこのブログに書いた。
http://blog.goo.ne.jp/kapalua227/e/11cf8f8d5a4de3d9804deeb2bd7e8b86
一部抜粋してみると・・・
最初に書いたように、「よく出来たクルマ」であり、これ1台あれば、確かに家庭円満かもしれない。
その意味で、トヨタって会社は、やはり凄いです。
ただ、もしも、これがハイブリッドでなく、驚異的な燃費を実現していなかったら、すっとこのクルマを選ぶだろうか。
それは分からない。
エコも大事だし、燃費も嬉しいし、値段も有難いのだが、クルマとしての総合的魅力で、ぐぐっと迫ってくるかといえば、うーん、そこまでじゃないんだなあ。
理屈では、このクルマのもつ魅力は分かる。
でも、頭で分かるとか、理解とかでなく、“感じるもの”、オーバーに言えば“官能”みたいなものが、あまり伝わってこなかったわけです。
「そういうクルマじゃないんだよ」と言われれば、「はい、そうですね」となるけれど・・・。
1台のクルマに、あれも、これもと求めるのは無理と知りつつ、つい、そんなことを思った新型プリウスの試乗でありました。
・・・まあ、これはプリウスに対して、というより、最近の「(プリウスに代表される)エコカーにあらずんばクルマにあらず」の雰囲気に、一人のクルマ・ファンとして、なんともいえない居心地の悪さを感じているせいかもしれません。
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