発売中の「週刊新潮」最新号に、TBSの「社長から社員への手紙」をめぐる記事が掲載されている。
この中でコメントしています。
TBS社長が
全社員に書き送った「お家の一大事」
勤務先の社長から自宅に封書が届いたら、さすがに身構える。
実際、そんな“事件”が10月末、TBSテレビで起きていた。
<社員の皆様へ>と題した石原俊爾社長からの5枚に及ぶ手紙。
なぜこの手紙を送ったかを説明するペーパーも1枚。
それによると、テレビ業界の中でも、<私たちTBSは最も厳しい立場に立たされていると言っても過言では>なく、<TBSは何を目指すのか、(中略)皆さんに私の考えをお伝えしたいと考え、この度、直接皆さんのご自宅へ添付の文書をお送りすることとしました>
TBSテレビの全社員923名に届けられた勘定だ。
「今年の視聴率競争では日テレとテレ朝が1、2位争いを繰り広げ、フジが3位。TBSは民放4位ですが、実はNHKにも抜かれ、実質は5位。この10月にはプライムタイム(19~23時)の25番組を半分近く入れ替えました」(放送記者)
こんな背景がある。
再び手紙。かつて業界をリードしてきたTBSには、ものづくりのDNAがあるはずだから、それを、<確認し、発揮していく時だと思います>。
その上で、<TBS変革の宣言>がなされ、<ものづくりの原点に立つために>、今後は次の3つの問いに答えを出してから、企画立案するように求めている。
1)なぜその仕事は存在するのか。
2)それは、社会に何を投げかけるのか。
3)それを見た人は、何を感じ、どう考え、どう行動するのか。
まったくごもっとも。が、しかし、上智大の碓井広義教授(メディア論)は呆れる。
「今まで、そんなことも考えずに番組を作ってきたのでしょうか。だとしたら、公共の電波を使って放送しているという自覚がなさすぎます。電波を返しなさいと言いたいですよ」
今やTBSは会社四季報に「不動産『赤坂サカス』が収益柱」と書かれる始末。ものづくりのDNAが泣いている。
(週刊新潮 2012.11.15号)
TBSといえば、かつては「民放の雄」と呼ばれ、また「報道のTBS」と呼ばれ、さらに「ドラマのTBS」とも呼ばれた、“栄光の過去”をもつ放送局だ。
そして今・・・・。