碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
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【気まぐれ写真館】 夕暮れの帰投

2021年12月22日 | 気まぐれ写真館

2021.12.22


女性セブンで、22年のエンタメ(テレビ)について解説

2021年12月22日 | メディアでのコメント・論評

 

 

2022年のエンタメ予測 

ネトフリ人気は継続、

『シン・○○』にも期待

 

コロナ禍の逆風に晒されながらも、動画配信やオンラインコンサートなど、デジタルを活用し新たな需要を生み出してきたエンタメ業界。

来たる2022年はどんなコンテンツが注目を集めるのだろうか。約2年間、人々ががまんにがまんを重ねてきたからこそ流行が期待される注目のエンタメについて、専門家に聞いた。

‘21年は東京パラリンピックの開催により、「障がいは個性」という、決してきれいごとではない事実を、世界中の人が目の当たりにした。

メディア文化評論家の碓井広義さんは、‘22年は、障がいを抱える人やLGBTQなど、あらゆるマイノリティーの人々が、さまざまなメディアでもっと当たり前に登場するようになると話す。

「『きのう何食べた?』(テレビ東京系)や『恋です! ~ヤンキー君と白杖ガール~』(日本テレビ系)の功績が大きい。同性愛者や身体障がい者が主人公ですが、設定ではなく、誰でも共感できる物語そのものが支持を集め、色眼鏡のない、マイノリティーの当たり前の生き方を伝えてくれた。

一方で、『俺の家の話』(TBS系)は、介護×能楽師という異色の組み合わせと、やはり『家庭』という小さな規模での日常がウケた。‘22年はスケールの大きなジェットコースタードラマよりも、さまざまな環境での日常と〝小さな人間関係〟を描くものが増えるでしょう」

‘22年のエンタメは〝密〟な心模様に共感できるものが流行りそうだ。共感重視の傾向はアイドルにも表れると、松田優幸さん(消費者経済総研チーフ・コンサルタント)は言う。

「現在世界中で大人気を博しているBTSですが、あまりにもスター性がありすぎて親近感が持てないという人がいるのも事実。そうした人たちがどハマりしているのが、アーティストのSKY-HIが自腹で1億円以上を投じて行ったボーイズグループオーディションから生まれた『BE:FIRST』。最初から完ぺきなアイドルではなく、未完成で粗削りなメンバーの成長を応援できるところが魅力で、‘22年はBE:FIRSTのブームがますます大きくなるでしょう」(松田さん)

‘21年はテレビドラマだけでなく、Netflixなどの配信作品も注目を浴びた。碓井さんは、’22年も、配信限定で〝来る〟作品があると話す。

「詳細は明らかになっていませんが、Netflix限定で配信される、是枝裕和監督のオリジナル連続ドラマは必見です。そのほか、米倉涼子主演で1月に配信が始まる『新聞記者』、宇多田ヒカルの代表曲「First Love」とその19年後に発表された「初恋」にインスパイアされたドラマ『First Love 初恋』も、佐藤健と満島ひかりという豪華キャストで期待できます」(碓井さん・以下同)

Snow Man主演で‘22年3月公開の実写映画『おそ松さん』のように、昭和・平成のリバイバルにも注目だ。碓井さんは、コロナ禍の閉塞感で、「なつかしさ」と「新しさ」を同時に感じられるようなものが注目されるのではないかと話す。

「庵野秀明監督の『シン・ゴジラ』のような、なつかしの作品に新たな解釈と演出を盛り込んだリバイバルに期待します。希望的観測でいえば、昭和の時代を席巻したスポ根もの。『シン・エースをねらえ!』『シン・巨人の星』『シン・アタックNO・1』のような作品が出てきたらおもしろいですね(笑い)」

来たる2022年、コロナにおびえる日々が本当に終わるのなら、やはり気になるのが「大手を振って旅行に行けるようになるのかどうか」……。トレンドウオッチャーのくどうみやこさんは、2022年にブームになる、新たなレジャー施設について語る。

「リモートワークが浸透した2021年は、仕事と休息の境目があいまいになりがちでした。便利ではありますが、やはり仕事とプライベートをきっちり分けて、遊んだり休んだりしたいという風潮が高まっています。2022年の春以降は、サウナリゾートが続々とオープンし、定番になるでしょう。テントサウナのほか、カヤックなどのアクティビティー、グランピングも楽しめる施設が増えるはずです」

期待を膨らませつつ、新しい年を迎えよう。

(女性セブン 2022年1月6日・13日号)