碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

【お知らせ】「実相寺昭雄監督」オンラインイベント

2022年09月15日 | 映画・ビデオ・映像

主催:実相寺昭雄研究会

 

 

「実相寺昭雄監督」

オンラインイベント

 

さすらいの銀仮面を語る

 

配信 9月17日(土)~10月1日(土)

 

 


テレ東「絶メシロードseason2」は一期一会の“ドキュメンタリードラマ”

2022年09月15日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

 

 

テレ東「絶メシロードseason2」は

一期一会の“ドキュメンタリードラマ”

 

あの男が帰ってきた。

「絶メシロードseason2」(テレビ東京系)の主人公、須田民生だ。演じるのは前作同様、映画「カメラを止めるな!」の濱津隆之である。

絶メシとは、「絶滅してしまうかもしれない絶品メシ」のこと。地方の町に長くひっそりと生息する、枯れた店でしか出合えない味だ。

そんな絶メシを求めて、民生は週末になると1泊2日の旅に出る。金曜の夜、クルマで出発して現地で車中泊。翌日の土曜、自分のカンを頼りに絶メシを見つけて味わい、夜には自宅に戻ってくる。

登場するのは全て実在の店だ。第1話は千葉県鴨川市の「真珠の庭」だった。歴史を感じさせる外観と店内。女将さん(藤田弓子)の「ガードを突き破って懐に飛び込んでくる接客」もうれしい。

注文したのは、金目鯛の煮魚定食だ。煮汁がしっかり染みており、甘みと生姜のバランスも抜群で、民生を喜ばせる。また追加で頼んだ車エビのカツレツは、準備に4日かけるという労作。こちらも大満足だった。

とはいえ、高齢者である店主は「次に来てくれた時はマンションが建ってるかもしれないよ」と笑う。失ってしまうには惜しいが、絶メシは一期一会の覚悟も必要だ。

物語はお店の取材を基に構成されており、いわばドキュメンタリードラマだ。はまり役の濱津が放つ、独特のリアル感も堪能できる。

(日刊ゲンダイ「TV見るべきものは‼」2022.09.14)