碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

【気まぐれ写真館】 「小田原」散歩(6)

2022年09月22日 | 気まぐれ写真館


【気まぐれ写真館】 「小田原」散歩(5)

2022年09月22日 | 気まぐれ写真館

 

 


【気まぐれ写真館】 「小田原」散歩(4)

2022年09月22日 | 気まぐれ写真館

 


【気まぐれ写真館】 「小田原」散歩(3)

2022年09月22日 | 気まぐれ写真館

 


【気まぐれ写真館】 「小田原」散歩(2)

2022年09月22日 | 気まぐれ写真館


【気まぐれ写真館】 「小田原」散歩(1)

2022年09月22日 | 気まぐれ写真館

 


NHK夜ドラ『あなたのブツが、ここに』は、「女優・仁村紗和」の再発見

2022年09月21日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

 

 

NHK夜ドラ

『あなたのブツが、ここに』

「女優・仁村紗和」の再発見だ

 

NHKの夜ドラ「あなたのブツが、ここに」(月―木曜夜)が最終週に入った。

主人公の亜子(仁村紗和)はシングルマザーの元キャバ嬢。2年前の秋、コロナ禍で店が閉まった上に給付金詐欺に遭う。小学生の娘・咲妃(毎田暖乃)を連れて、母(キムラ緑子)が住む実家に戻り、現在は宅配ドライバーをしている。

エッセンシャルワーカー(人々の生活に必要不可欠な労働者)として需要が高まった宅配業界も楽ではない。コロナ禍で増えた荷物。客からのクレーム。さらにウイルスの媒介者のように扱われ、娘の咲妃まで学校でいじめられたりした。

それでも頑張ってきたが、元同僚でキャバ嬢を続けていたノア(柳美稀)が自殺したことにショックを受ける。

「たった1個の間違いで死んでしまったノアちゃんと、何個間違えても何とか生きている、あたし」と落ち込む亜子。やがて、反発してきた自分を支えてくれる母の存在に気づく。

このドラマ、コロナ禍で追い込まれた普通の人たちの苦境と心情をリアルに描いて秀逸だ。

また注目すべきは仁村の大健闘である。「キレイなモデルさん」というイメージだったが、亜子そのものに見える喜怒哀楽の表現は「女優・仁村紗和」の再発見と言っていい。

印象に残る台詞の多い脚本は、「マルモのおきて」などの櫻井剛によるオリジナル。制作はNHK大阪だ。

(日刊ゲンダイ「TV見るべきものは!!」2022.09.20)


【旧書回想】  2021年1月前期の書評から 

2022年09月20日 | 書評した本たち

 

 

【旧書回想】

週刊新潮に寄稿した

2021年1月前期の書評から

 

菊池治男『開高健は何をどう読み血肉としたか』

河出書房新社 2090円

不思議な味わいの一冊だ。著者は元雑誌編集者。『オーパ!』の旅にも同行している。遺された蔵書を手に取り、希代の作家が何を考えたのかを想像し、亡き人と対話するように自らの思いを語っていく。『ヘミングウエイ釣文学全集』『コン・ティキ号探検記』『嘔吐』などの折り込まれたページがヒントとなる。中には開高にとって「致命的なものを含んだ箇所」もありそうで実にスリリングだ。(2020.11.30発行)

 

安彦良和、石井 誠『安彦良和 マイ・バック・ページズ』

太田出版 2420円

『機動戦士ガンダム』などで知られる安彦良和。本書ではアニメーターとしてのスタートから、『ガンダム』のテレビシリーズと映画版、『アリオン』での漫画家デビュー、『ヴィナス戦記』の封印、そして小説への挑戦と離脱などが率直に語られていく。いわば「全仕事史」である。各作品の成り立ちはもちろん、テーマ性の継承、込められた思いやこだわりも、知るほどに新鮮な驚きの連続だ。(2020.12.04発行)

 

川本三郎「『細雪』とその時代」

中央公論新社 2640円

『荷風と東京』や『林芙美子の昭和』など、作家と作品を軸に大正・昭和の都市風景を見つめてきた著者。昭和11年秋に始まり16年春に終わる『細雪』にも独自の光を当てている。谷崎が描く都市の明と暗、表と裏。モダニズムと日本美の絶妙な融合。そして戦時下における大切な拠りどころとしての「家庭」などだ。関東大震災で失われ、さらに戦争が押し流していった「良き時代」がそこにある。(2020.12.10発行)

 

矢貫 隆『いつも鏡を見てる』

集英社 1760円

昔から世相を知りたければタクシードライバーに聞けといわれる。「走る密室」の中で彼らは何を見ているのか。登場するのは6人のドライバーだ。減反政策と農協からの巨額の借金で転身してきた者。バブル期、購入した絵を抱えて都内から信州の松本まで帰る夫婦を乗せる者。短篇小説のような筆致で語られるエピソードが、昭和からコロナ禍の現在までの社会と人間の姿を浮き彫りにしていく。(2020.12.09発行)

 

鈴木義昭『ピンク映画水滸伝 その誕生と興亡』

人間社文庫 990円

ピンク映画の第1号『肉体の市場』が公開されたのは昭和37年(1962)。「戦後日本映画の鬼っ子」の歴史を人と作品で辿るのが本書だ。現場は予算も人員も製作期間も最低限だったが、観客の欲求と監督たちの熱狂が交じり合った佳作が生まれていく。中でも若松孝二が率いた若松プロは突出した存在だ。エロスを武器に大手資本に挑み、映画市場を揺さぶった。真摯なアウトローたちに拍手だ。(2020.12.10発行)


「ちむどんどん」愛せなかった困った人物たち

2022年09月19日 | 「毎日新聞」連載中のテレビ評

 

 

<週刊テレビ評>

「ちむどんどん」最終盤だけど… 

愛せなかった困った人物たち

 

NHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ちむどんどん」の最終回が近づいてきた。この時期になると通常、「もう見られなくなる」と惜しんだり、ロス(喪失感)を心配したりする声が高まってくるものだ。

だが今回は様子が違っている。放送開始直後から酷評で、半年近くが過ぎた現在も収まらないままなのだ。なぜ、こんな事態になったのか。

このドラマの主な問題点は二つある。ストーリーと人物設定だ。まずストーリーだが、ご都合主義的な展開が随所に見られた。

たとえば、ほぼ手ぶらで沖縄から上京した主人公の暢子(黒島結菜)。たまたま知り合ったのが沖縄県人会の会長(片岡鶴太郎)だ。自宅に泊めてくれた上に、紹介された沖縄料理店が暢子のバイト先兼下宿先となっていく。

それだけではない。会長は銀座の一流レストランへの就職まで世話してくれるのだ。これに限らず、本来なら紆余(うよ)曲折を経てたどり着くはずなのに、あまりに簡単に到達するため、見る側は応援する気持ちが薄れていった。

次の問題点は登場人物のキャラクターだ。暢子は一貫して自分勝手で、思ったことをTPOを無視して大声で口にする。

明るく前向きなヒロイン像は定番だが、彼女の場合は「真っすぐな性格」の範囲を超えている。非常識で無遠慮な人に見えてしまい、共感できなかった。

また、ことあるごとに「ちむどんどんする!」とタイトルコールのように叫ぶのも押しつけがましい。

そしてもう一人、困った人物がいた。暢子の兄、「ニーニー」こと賢秀(竜星涼)だ。真面目に働かない。暴力事件を起こす。一獲千金を狙って詐欺に引っかかる。かと思うと、自身も詐欺まがいの行為に手を染める。

さらに周囲から借金をしたまま消えるのが常で、その度に尻ぬぐいをするのは家族だ。時々、「甘やかし過ぎだろう」と文句を言いたくなった。

過去にも朝ドラには何人もの「ダメ男」が登場した。近年では「おちょやん」(2020年度)のヒロイン・千代(杉咲花)の父親、テルヲ(トータス松本)が娘を売り飛ばした。

「カムカムエヴリバディ」(21年度)の安子(上白石萌音)の兄、算太(濱田岳)も妹の大事な貯金を持ち逃げしている。

朝ドラのダメ男たちはヒロインの人生を揺さぶる大きな要素だが、賢秀のダメさは度を越しており、見る側にストレスさえ感じさせたのだ。

沖縄復帰50年という節目の作品だったが、復帰後の沖縄の変化などはほとんど描かれなかった。次回作に期待しつつ、物語の最後を見届けたい。

(毎日新聞夕刊 2022.09.17)

 


【お知らせ】新しい本が出ます。

2022年09月18日 | 本・新聞・雑誌・活字

 

 

【お知らせ】

9月28日、新しい本が出ます。

 

『脚本力(きゃくほんりき)

倉本聰+聞き手 碓井広義

幻冬舎新書

定価1034円(本体940円+税)

 

ドラマ史に残る名作『北の国から』『前略おふくろ様』から、老人のリアルを描いて話題となった『やすらぎの郷』まで、倉本聰はなぜ60年以上にわたり、第一線で書き続けられるのか。

「構成はおもてなし精神で」「台詞は論理的であってはいけない」「物書きに必要なのは発信力より受信力」――

本書のために書き下ろした新作『火曜日のオペラ』の企画書から完成台本までの創作過程とともに、名作を生む「手の内」をすべて明かす。

87歳の今なお毎日原稿用紙に向かう巨匠の、創造力の源泉に迫る一冊。

 

 

 

 


『ワルイコあつまれ』が伝えた、 世界を平和にする「3つの言葉」

2022年09月17日 | 「ヤフー!ニュース」連載中のコラム

 

『ワルイコあつまれ』が伝えた、

世界を平和にする「3つの言葉」

 

『ワルイコあつまれ』の「原爆特集」で

先日、8月6日に放送された『ワルイコあつまれ』(NHK・Eテレ)について書きました。(『ワルイコあつまれ』がトライした、異色の「原爆特集」

そのときに書き切れなかった、とても「大切な言葉」があったので、続編として記しておこうと思います。

『ワルイコあつまれ』は、稲垣吾郎さん、草彅剛さん、香取慎吾さんによる「教育バラエティー番組」です。

この日は、「子ども記者会見」という場を設けて、広島で原爆を体験した竹本秀雄さんに、子ども記者たちが様々な質問をしていました。

そして記者会見の最後に、子ども記者の一人が、こう訊いたのです。

「世界が平和になるために、私たちに出来ることはありますか?」

すると、竹本さんは、

「あります。その方法は、3つの言葉なんです」

と答えました。

その説明は、以下のようなものでした。

世界が平和になるために

一つ目。「ありがとう」と言いましょう。

心に寄り添ってもらった時、さみしい時、迷った自分に手を差しのべてくれた時、相手の目を見て「ありがとう」と言いましょう。

それが本当の「ありがとう」なんです。その「ありがとう」が言える人になりましょう。

二つ目。人を褒めましょう。誰でも必ずいいところがあるんです。気がつかないなら、見る目がまだ甘いんですね。

人には、必ずいいところがあります。それをさり気なく、褒めてあげましょう。

そういう人が一人でも増えれば、戦争に発展しなくなるかもしれません。

最後は「ご苦労さま」「お疲れさま」という言葉です。ねぎらいの言葉です。

お母さんが洗濯物を干していても、「お母さん、ご苦労さま」って言えばいいんです。

言えば、相手も嬉しいし、言ったほうも幸せになるんですよ。今日からやってみて下さい。

3つの言葉

竹本さんが挙げた、3つの言葉。

「ありがとう」

「人を褒めること」

「ご苦労さま」

これは子どもたちだけでなく、年齢を問わず、誰もが使える言葉です。

多くの人が口にすることで、世の中の何かが変わっていく言葉だと思います。

もしかしたら、本当に、少しずつ、世界が平和になっていくかもしれません。

テレビを通じて、たくさんの子どもたちに「3つの言葉」を伝えてくれた稲垣さん、草彅さん、香取さん、そして『ワルイコあつまれ』に感謝です。


フライデーで、「桐谷健太」さんについてコメント

2022年09月16日 | メディアでのコメント・論評

 

 

8月中旬のとある日、都内の繁華街では早朝からロケが行われていた。ビル街にある一軒のサウナ店の前に佇(たたず)んでいたのは、髭面(ひげづら)がワイルドな俳優の桐谷健太(42)だ。

桐谷は連れの男性と入り口へ向かうが、店のドアには「本日休館日」の札が。それを見た桐谷は、自動ドアを両手で無理やりこじ開けると、ズカズカと店内へ入って行ったのだった。

「キャストもタイトルもまだ公表されていないドラマの撮影だと思われます。制作は関西テレビですね。映画『新聞記者』、『ヤクザと家族』を手掛けた藤井道人監督の作品なのでおそらくシリアスな内容のものなのでしょう」(スポーツ紙記者)

桐谷といえば長年出演しているCM『au三太郎シリーズ』でのコミカルなイメージや熱血青年的なイメージが強く、バイプレイヤーとしてさまざまな作品に出演してきた。

しかし、今年4月期に放送されたドラマ『インビジブル』(TBS系)では、警察官僚でありながらラスボスというサイコな悪役を演じて評判になるなどハードな役柄が目立つ印象だ。何かが彼の中で変わりつつあるのだろうか。

「桐谷さんは、ハードボイルドが似合う年頃になってきているのだと思います。歳を重ねて、タフなだけではなく、優しさも哀愁も感じさせる大人の男としての奥行も出てきました。管理職も似合う年頃です。将来は企業トップの”巨悪”を演じることもあるかもしれません」(メディア文化評論家・碓井(うすい)広義氏)

12月には映画『ラーゲリより愛を込めて』の公開も控えている桐谷。これまで以上の迫力ある演技が見られそうだ。

「フライデー」2022.09.23号


【お知らせ】「実相寺昭雄監督」オンラインイベント

2022年09月15日 | 映画・ビデオ・映像

主催:実相寺昭雄研究会

 

 

「実相寺昭雄監督」

オンラインイベント

 

さすらいの銀仮面を語る

 

配信 9月17日(土)~10月1日(土)

 

 


テレ東「絶メシロードseason2」は一期一会の“ドキュメンタリードラマ”

2022年09月15日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

 

 

テレ東「絶メシロードseason2」は

一期一会の“ドキュメンタリードラマ”

 

あの男が帰ってきた。

「絶メシロードseason2」(テレビ東京系)の主人公、須田民生だ。演じるのは前作同様、映画「カメラを止めるな!」の濱津隆之である。

絶メシとは、「絶滅してしまうかもしれない絶品メシ」のこと。地方の町に長くひっそりと生息する、枯れた店でしか出合えない味だ。

そんな絶メシを求めて、民生は週末になると1泊2日の旅に出る。金曜の夜、クルマで出発して現地で車中泊。翌日の土曜、自分のカンを頼りに絶メシを見つけて味わい、夜には自宅に戻ってくる。

登場するのは全て実在の店だ。第1話は千葉県鴨川市の「真珠の庭」だった。歴史を感じさせる外観と店内。女将さん(藤田弓子)の「ガードを突き破って懐に飛び込んでくる接客」もうれしい。

注文したのは、金目鯛の煮魚定食だ。煮汁がしっかり染みており、甘みと生姜のバランスも抜群で、民生を喜ばせる。また追加で頼んだ車エビのカツレツは、準備に4日かけるという労作。こちらも大満足だった。

とはいえ、高齢者である店主は「次に来てくれた時はマンションが建ってるかもしれないよ」と笑う。失ってしまうには惜しいが、絶メシは一期一会の覚悟も必要だ。

物語はお店の取材を基に構成されており、いわばドキュメンタリードラマだ。はまり役の濱津が放つ、独特のリアル感も堪能できる。

(日刊ゲンダイ「TV見るべきものは‼」2022.09.14)


【気まぐれ写真館】 猛烈な残暑に、故郷・信州の水

2022年09月14日 | 気まぐれ写真館

サントリー「天然水 北アルプス」は、長野県大町市で採取