ル・クレジオ著、集英社。
子どもの頃、父親不在のまま育ち、8歳のとき父のいるアフリカにつれてこられた。
ル・クレジオの著作は、この幼少時の体験からくるものがいくつかある。
「オニチャ」の舞台裏って言う感じ。
アフリカの暑さは思い出せない、ニースの寒さは覚えてる。とか、
そういう、忘れかけたけど体の一部になっているような子どもの頃の記憶が描かれる。
それは、父を理解するためのものでもあった。
サイフェルトの「この世の美しきものすべて」も、子どもの頃の記憶をたどる章があって、
幸せだと感じた、クリスマスの記憶を描いた章が、とても切なくて好きだ。
もう、戻ってはこない、子どもの日々、家族との団らん。そういう記憶。
ル・クレジオの父も、息子たちが生まれる前に母と二人で暮らしたアフリカが好きで、
それはもう、戦争やら何やらでもとには戻せなくなっていて、その思いを引きずったまま
年老い、死んでいったようだ。
この人が描くと、なんだかアフリカがとても美しい。風景も、人も。
その場所それぞれの、固有の美しさがあることを、受け入れているような気がする。
子どもの頃、父親不在のまま育ち、8歳のとき父のいるアフリカにつれてこられた。
ル・クレジオの著作は、この幼少時の体験からくるものがいくつかある。
「オニチャ」の舞台裏って言う感じ。
アフリカの暑さは思い出せない、ニースの寒さは覚えてる。とか、
そういう、忘れかけたけど体の一部になっているような子どもの頃の記憶が描かれる。
それは、父を理解するためのものでもあった。
サイフェルトの「この世の美しきものすべて」も、子どもの頃の記憶をたどる章があって、
幸せだと感じた、クリスマスの記憶を描いた章が、とても切なくて好きだ。
もう、戻ってはこない、子どもの日々、家族との団らん。そういう記憶。
ル・クレジオの父も、息子たちが生まれる前に母と二人で暮らしたアフリカが好きで、
それはもう、戦争やら何やらでもとには戻せなくなっていて、その思いを引きずったまま
年老い、死んでいったようだ。
この人が描くと、なんだかアフリカがとても美しい。風景も、人も。
その場所それぞれの、固有の美しさがあることを、受け入れているような気がする。