河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

太平洋食堂

2023-09-26 21:38:08 | 読書(小説)
柳広司、小学館文庫。
熊野市に住んでたとき、お隣の新宮市にはよく行った。
(熊野も新宮も、広域の熊野だけど、一部の新宮市民としては
 熊野市を三重県が名乗るのがちゃんちゃらおかしいらしい)
新宮市は、和歌山市とは真逆の方向にあるのに、
運転免許センターがあったり(普通は県庁所在地一ヶ所でしょ)
それなりの都会で、不思議だなあと思っていて、
明治時代に、新宮では思想犯で四人が処刑されたという話も
聞き齧っていて、陸からは遠いけど、海からは近いから、
なんか都会なんだなあと思っていた。

大石誠之助。
医師であり、目の前の苦しんでいる人を助けたい、という心根から、
金のない人からは無償で、金持ちからはそれなりに徴収し、
料理好きから表題の食堂を開くが、実質子ども食堂的になってしまう。
社会主義者に協力していく中で、国から監視されるようになり。
紀州の訛りが懐かしい。
主人公のキャラも面白くて、ただただ目の前の人を助けていただけなのに。
最後の最後、捕まってからはとてもあっさり出来事だけが伝えられる。
そこまできて、知識として知ってた処刑された人ってこの人たちだったんだ。
って気づいたんですが。

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