河太郎の読書日記

本とか映画とかいろいろ

飛行士たちの話

2024-10-17 23:28:40 | 読書(小説)

ロアルト・ダール、ハヤカワ文庫。
飛行機乗りの短編集。
ロアルト・ダールといえば、
「チャーリーとチョコレート工場」だけど、
これは、読み口は軽く、ちょっと中身は重い、戦争の物語。
サン=テグジュペリ「南方郵便機」を思い出す。
宮崎駿の「紅の豚」の私の好きなシーンは、
この中の「彼らに歳は取らせまい」そのまんまだった。
飛行中、雲の中に入って、出られなくなり、
ぽかっと抜け出た青い空間の遠くに、飛行機の群れが見えた。
死んだパイロットとクルーたち、ありとあらゆる機種の飛行機。
「人を殺す」のが仕事の飛行機乗り。
酒に酔い、狂い、怪我して生き延びた者、
死んだ息子を思い亡くなる母親、
家族を殺した飛行機に立ち向かう九歳の少女。
なかなか重かったなあ。


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